音声技術、人工知能、機械学習、拡張現実など、新技術にはDrupal
Acquia社のEMEA(欧州中東アフリカ地域)マーケティング担当副社長であるSilvia Jensen氏が、さまざまな新技術とDrupalの親和性について記事を書いています。
音声技術、人工知能(AI)、機械学習、拡張現実(AR)などの新技術を導入するにはDrupalのような適切な基盤を選ぶことが肝要だという内容です。
Webサイトを訪れる顧客に優れたデジタル経験を提供しようと、世界中のマーケターやエンジニアは常に最新技術に目を光らせています。顧客と組織の接点はWebサイトだけではなく、デジタルサイネージやスマホのアプリ、AR(拡張現実)、イベント会場でのVR(仮想現実)体験などさまざまです。単なるビジター(訪問客)が無料サンプルを試用してくれたり、購入し、使用して気に入ってくれて、お得意様になってくれたり、さらには口コミなどで自社の製品やサービスを他の潜在顧客に薦めてくれたりするようになるまでに、単なるビジターは長い長い道------カスタマー・ジャーニーと呼ばれる旅の道------を通って、さまざまな接点(タッチポイント)で企業や組織と触れあい、さまざまな経験をします。
企業側は音声技術でキーボードやスクリーンとは違う接点を作ったり、機械学習で顧客に最適なコンテンツを提示したりするために、予算を投じて新技術を導入するのですが、多くの場合、2年ほど経過して余り効果が上がっていないことが明らかになり、提供を停止したり、陳腐化したまま放置したりしてしまうケースが多いようです。
Acquia社によれば、さまざまなデジタル経験の重要なハブはやはりWebサイトであり、そのコンテンツとWebで収集するデータが、最も重要なマーケティング資産です。つまり、CMSの役割がきわめて重要ということになるのですが、ほとんどのCMSは、イノベーションに対してはブレーキになってしまうとうのです。
もともとWebサイト専用に作られてきた殆どのCMSは、モバイルには追随できたものの、ARやVR、IoTなどのトレンドには必ずしも適していません。
そのため、新技術を導入する際に、IT部門は部分最適化を試み、IT環境は断片化してしまいます。つまり、既存の技術であるCMSの周囲に、そのCMSとは本来は協調できないシステムを作って、無理矢理つなげたり、場合によっては連携を諦めて、まったく個別のシステムとして構築したりしてしまうのです。
Drupalは、オープンソースのCMSであり、常に数千人以上のデベロッパーによる機能追加や改善が行われています。しかも、その設計思想の根本にはAPIファーストという考え方があります。
API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)とは、ソフトウェアが別のソフトウェアとやり取りをする際の、やり取りを定めたものです。APIが明確であれば、システムと別のシステムが通信を使って情報などを交換することができます。
つまり、Drupalを構成しているソフトウェアが、VRやARなど、他のソフトウェアとやり取りをする際の「切り口」が明確になっているということです。
そのため、DrupalはWebサイトだけでなく、デジタルサイネージやIoT、スマートスピーカーとも容易に連携することができます。Drupal側はVR、AR側の改造は必要最小限に抑えることができますから、市場投入までの期間(time-to-market)を極小化できます。
それだけでなく、陳腐化した技術を切り離したり、まったく新しく登場した新技術をつないだりすることも、APIを介して簡単に行うことができます。
もちろん、他のCMSであっても新技術との連携は可能ですが、Drupalの自由度にはかなわないとのこと。これがマーケターにDrupalを勧める大きな理由の一つなのだそうです。
【参考情報】