ボストン市のウェブサイト、Drupalでリニューアル
7月20日、ボストン市のウェブサイト(https://www.boston.gov/)が10年ぶりにリニューアルされました。旧システムは他言語に強いとされるTridionというCMSを使っていましたが、今回はDrupalが採用されています。
Bostonは、Drupalの生みの親、Dries Buytaert氏が技術面を率いるAcquia社のお膝元です。
ちなみにジェネロテクノロジーは、9月に東京で、このAcquia社の教材を使った研修を日本で初めて開催します。
Boston.govは、Acquia社のホスティング、Acquia Cloud上に構築されています。2万ページ、100万語以上の大規模サイトで、コンテンツ執筆者は様々な組織に分散した20名以上が担当しているそうです。来訪者(すなわち、ボストン市民)の利便性を考えて、市当局の組織の割り方とウェブサイトの構造を合致させるのではなく、車を買うとか、会社を興すといった、生活や仕事での興味や必要性に応じてコンテンツが組み立てられているとか。
情報を提供する側の都合でサイトを構築すれば、コンテンツ製作も、上司の承認も、市民からの問い合わせなどへの対応も、設計や運用が楽と言えば楽です。しかし、それでは利用者の満足度が低く、結果的にはウェブサイトが利用されなくなってしまいます。住民サービスをウェブで提供することは、実は市の予算を削減する効果があります。同じ説明を多くの人になんどもなんどもする必要がなくなりますし、チラシや小冊子をたくさん印刷して配布する必要もなくなります。内容が変わった場合の修正も、印刷物に比べて非常に簡単で、すでに印刷したものが無駄になることもありません。
市民が手書きで記入した申請書を処理するよりも、ウェブに記入してくれた文字(テキスト情報)を取り扱うことの方がずっと低コストで迅速に行えます。そんなウェブサイトを、提供側の都合で縦割り組織の使えないものにしてしまうのは、言うならば本末転倒ということになります。
ウォルシュ市長は「新しいウェブサイトの公開は、ボストン市のデジタル・サービスを誰もが使いやすくしていく上で重要な一歩です。ボストンに引っ越してくる大学生であれ、中小企業の経営者であれ、訪れた人を歓迎するユーザ・フレンドリーなウェブサイトを提供することが我々のゴールです」と記事の中で述べています。
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