Drupal Commerceで大規模化するMatsmart

スウェーデンで2014年に開設されたMatsmartは、食料品を販売するEコマースのサイトで、Drupalで構築されています。

 

このサイトで売られている食品は、いわゆる余剰食品です。日本でも賞味期限切れが近づいた食品が廃棄されることが大きな問題となっていますが、各国でも消費期限が近かったり、パッケージなどのリニューアルが行われたり、あるいは期間限定を謳って販売されたりしていた食品は廃棄されてしまいます。

 

世界では未だに食糧難で苦しむ人々がいる反面、余剰食品の廃棄が続けられているという矛盾を少しでも解消するため、Matsmartではこうした食品をメーカーや流通から集約して、2割から9割引という安値でオンライン販売しています。

 

北欧では、こうした取組みが好評で、スウェーデンだけでなくノルウェーやフィンランドにも展開しており、スウェーデンを代表するオンライン食品小売業者となっています。2016年には、708トンもの食品がMatsmartのお陰で廃棄物とはならず、消費者の手許に届けられたそうです。

 

この成長を支えているのが、オープンソースCMSのDrupalと、これをECサイトに作り上げるDrupal Commerceです。すでに4年に渡ってMatsmartはDrupal Commerceを活用していますが、記事によると同社の共同創業者でCEOのKarl Andersson氏は、近頃、さらなるECサイト増強に備えて新たに1,000万クローナ(1SEK=13円とすると約1億3,000万円)の資金を調達しました。つまり、同社はDrupalのスケーラビリティ(大規模化に応える拡張性)を高く評価しているということでしょう。

 

Drupalは、Drupal Commerceによる方法のほか、世界で広く使われているECプラットフォームのMagentoとの連携によっても大規模なEコマースサイトを実現することが可能です。

 

なお、Matsmartは、DrupalコミュニティでDrupal Commerceの開発・維持管理を担当しているプロジェクトにも寄与しています。

 

 

【参照情報】

MATSMART.SE TOG IN 100 MKR, FORTFARANDE BASERAD PÅ DRUPAL COMMERCE GRATISMALL