Drupal向けGutenbergモジュール

ヨハネス・グーテンベルク(Johannes Gutenberg)は1445年頃に活版印刷機を発明したとされるドイツの人ですが、WordPressの高機能エディターであるGutenbergは、2018年の末にWordPressメジャーリリースバージョン5.0の目玉新機能を目指してリリースされました。
その名の通り「新しい印刷体験」と銘打っていたGutenbergですが、当初は従来のエディタ「TinyMCE」との違いに対する拒否反応や機能的な不具合もあり、利用者の反応はいま一つでした。しかし、その後の対策などで、WordPressにリッチなコンテンツを柔軟に追加できるようになったことで、このオープンソースCMSの可能性は広がったと利用者からは比較的好意的に受け取られているようです。

文章内のすべての要素をブロック単位(段落、画像、リストなど)で扱う新たなブロックエディターであるGutenbergですが、これがWordPressに取り込まれた背景には、Wix、Jimdoその他、コーディングのスキルがまったくなくてもそれなりのWebサイトを構築できてしまう簡易なクラウド型CMSの成長があったと言われています。Gutenbergによって、HTMLやショートコードを使わずとも、文章を望み通りの体裁に変更することができ、レイアウトの自由度も高まりました。ちなみにDrupalには従来からCKEditorなどのWysiwygエディターがありました。

5月30日にリリースされたのは、Drupal 8向けのGutenbergモジュール(https://www.drupal.org/project/gutenberg)です。これによりランディングページなどレイアウトに自由度が必要なページを容易に作る手段が増えました。なによりも注目されていたのは、長らく「オープンソースCMS」というカテゴリー分けにおいてお互いにライバル視されてきたWordPressとDrupalが、Gutenbergを介して橋渡しされるかも知れないという点です。同じ組織(企業など)グループなどで、数多くのサイトを運営している場合など、WordPressとDrupal、その他のCMSなどがグループ全体で見れば混在しているケースがありますが、ゆくゆくはDrupalとWordPressで共通のブロックが使えるようになるのかも知れません。

<参考情報>