Drupalディストリビューション - Reservoir
ヘッドレスDrupalを実現するために、Drupalをデカップルすることになるのですが、Drupalが裏にあるフロントエンドを開発する場合も、また、デカップルしたアプリケーションが使うコンテンツのレポジトリーとしてDrupalを使うための設定を行う場合も、非常に難しい作業が必要になることがあります。
どこから始めればいいのか明確になっていないことが多く、テンプレートや事例が少ないことも、問題を難しくしています。成功事例が豊富でないことから、逆にアプローチ方法が多岐に渡ってしまうのですが、Drupal開発に慣れていないフロントエンド開発者が、バックエンド向けにDrupalを構成するための出発点が明らかでないこと、簡単なステップで目的を達成できないことが大きな課題となっています。
こうした課題を解決するため、AcquiaCTO事務所は、最近、Wim Leers(DrupalのAPIファースト・イニシアチブのコーディネーター)とTed Bowmanによって開発された実験的なDrupalディストリビューションであるReservoirのリリースを発表しました。デカップルDrupalのスタートポイントとして優れていると同時に、すべてのバックエンド開発者向けに設計されています。デカップルされたDrupalディストリビューションであり、すべての開発者にとって最適なバックエンドとなるものです。
Drupal用語を使って言うと、Reservoir(=貯水池という意味)はDrupalをデカップルするための必要最小限な要素から成るディストリビューションです。アプリケーションが利用するコンテンツのレポジトリーを構築することができる、柔軟でシンプルなツールとなっています。コンテンツのモデリング、コンテンツの管理、HTTP APIを介したコンテンツとのインタラクションに重点を置いています。
Reservoirでは、コンテンツ・レポジトリー(履歴、ブレークポイント、コンタクト、ブロック、RDF、ビューなど)と関係のないもの、例えばユーザー向けのフロントエンドやモジュールなど、Drupalにとっては一般的な機能を意図的に切り落としています。反対に、デカップル(分離)されたDrupalの実装を進める上で役に立つ機能を追加してあるのです。
1. APIファーストまたはWebサービスモジュールの提供
Reservoirによって、他のアプリケーションに対するコンテンツのリポジトリとしてDrupalを簡単に使い始めることができます。Drupal独自のシリアライズ形式ではなく、JSON APIを提供しています(GraphQLも検討中)。
2. 自動生成APIドキュメント
コンテンツモデルを作成および変更する際、ReservoirはAPIドキュメントを自動的に生成します。 このドキュメントは、コンテンツの横に表示して参照することをお勧めしています。
3. カスタマイズされたユーザーインターフェイス
最初にReservoirをインストールすると、Reservoir(コンテンツのモデリング・コンテンツの管理、HTTP APIのプロビジョニング)を使用して実行できる3つの主要なタスクを説明するツアーが表示されます。
これらの機能により、開発者はフロントエンド向けコンテンツ・リポジトリをすぐに使い始めることができます。
Reservoirは、Drupalの知識や経験に関係なく、すべてのフロントエンド開発者に最適なバックエンドを提供することを目指しています。
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