ローコード開発
Drupalを活用してデジタル体験プラットフォームを提供しているAcquiaが、Cohesion社の買収を発表しました。
情報システムのソフトウェアを開発するには、要求仕様を明らかにして、必要な機能を洗い出し、画面とその遷移をデザインして、開発環境を構築し、デザイナーはデザインを、プログラマーたちはコーディングを行います。
PHPにしてもSQLにしても、プログラミングは時にコーディングと呼ばれるように、コードを書くことで行われます。プログラミング言語のコードは、アルファベットと記号の組み合わせですから、プログラマーたちはパソコンのディスプレーを見ながら、キーボードに向かって両手の指を素早く動かし、文字や記号を入力して、Enterキーを叩いています。
どんなプロジェクトも全く同じプロジェクトは存在しないのですが、組み上げるプログラムには共通的なものが意外なくらいたくさんあります。だからこそ、ベテランのコーダー(プログラマー)は過去の経験を生かして、新人のプログラマーよりもずっと早く、コーディングを進めることができています。
そこで、よく使われるコードを部品のように揃えておけば、その部品の組み合わせ、必要なパラメータ―の設定を行って、部品化されていない部分だけコーディングするようにすれば、開発に要する期間を大幅に削減することができます。
こうしたコンセプトで進めるソフトウェア開発をローコード開発(Low-code development)と呼びます。コーディングがまったく不要ということではなく、とても少なくて済むということで、場合によっては開発スピードが5倍にも10倍にもなると言われており、超高速開発と呼ばれることもあります。
Cohesion社(ロンドン)は、Drupal 8を使ったエンタープレイズ向けWebサイトをローコード開発で構築することが可能となるDrupal 8サイトビルダーDX8の開発元です。
Acquiaのデジタル体験(DX)プラットフォームを使えば、ネットワークやWebサーバ、DBサーバの構築、Drupalコアのインストールなどのいわゆるインフラ構築の手間や、トラフィック増加による増強などの手間や心配は無用になります。ここにCohesion DX8が加わることで、コーディングのスキルがないマーケターやデザイナーでも、スピーディーにDrupal 8のWebサイトを構築することが可能になるということです。
Webサイトの構築やチューニングに割かなければならない労力を抑えて、Webサイトを使ってマーケターが本当に行いたいこと、つまり、顧客のデジタル体験の価値を高めることに集中できるようになるということでしょう。
ちなみにcohesionという英単語の意味は、「結合、密着、団結、凝集」など、いろいろなものがまとまるということです。
<参考情報>