業務現場に根差すAI活用の最前線—NexTech 2025【春】参加レポート
はじめに:AI社会実装の“今”を知る場
2025年4月15日〜17日、東京ビッグサイトで開催された「第9回 AI・人工知能EXPO【春】」に足を運びました。
本展示会は「NexTech Week 2025」の一環として開催され、生成AI、エッジAI、業務支援AI、AI開発プラットフォームなど、幅広いAIソリューションが集結する国内最大級の専門展です。
「AI活用」というキーワードが一般化しつつある昨今ですが、本展示会ではその“次のフェーズ”ともいえる「業務への本格導入」「効果の可視化」「運用負荷の軽減」など、より実践的なテーマが中心に据えられていました。
公式サイトはこちら:NexTech Week 2025 春

会場全体のトレンド:生成AIと自動化の融合
会場全体を通して強く感じたのは、生成AIの“業務適用フェーズ”への移行です。
チャットボットによる社内問い合わせ対応、社内ナレッジの要約と整備、契約書のドラフト作成、レポートの自動生成など、バックオフィス業務の効率化をテーマにした展示が多く見られました。
特に、「生成AI×RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」のような組み合わせによって、思考・判断が求められるタスクにも自動化の波が及んでいることを実感しました。また、社内におけるプロンプト設計の最適化や、ファインチューニングによる精度向上の実例など、企業が“使いこなす”段階に入っていることも大きなトレンドです。

会場の雰囲気:活気と参加メリットの高さを体感
来場者は、SIerやシステム開発企業、製造業、流通業、自治体関係者まで多岐にわたっており、年齢層も幅広く、名刺交換や商談の熱気が絶えない活気ある会場となっていました。
来場者からは「情報収集だけでなく、実際の導入事例が多くて参考になった」「課題ベースで相談できるブースが多く、導入のヒントが得られた」といった声も聞かれ、来場メリットの高さを感じさせました。
展示物やプレゼンテーションは専門的な内容も多くありましたが、初めてAI導入を検討する企業にもわかりやすく、実務視点で整理された資料が多い点も好印象でした。

おわりに:AIの“価値”が問われる時代へ
生成AIの台頭によって、“AIを使うこと”そのものが目的ではなくなりつつあります。今回の展示会では、その先の「どう使いこなすか/誰の業務をどう変えるか」という観点が強く打ち出されており、まさに社会実装の最前線を見ることができたと感じています。
そして多くの企業が提示していたのは、テクノロジーそのものではなく、“業務成果につながるAI活用”という視点でした。
全体を通して、AIを検討中の担当者、すでに取り組みを進めている企業にとって、ヒントと実践の架け橋となる展示会でした。
次回開催情報:NexTech Week 2025【秋】
■ 会期
2025年10月8日(水)~10日(金)
■ 会場
幕張メッセ(4~6ホール)
■ 開催時間
10:00~17:00