ウインタースポーツとデジタル
スキーやスノーボードを個人で楽しんだり、プロのスキーヤーたちの華麗な滑りをファンが楽しんだりするウインタースポーツの世界もデジタルによる変革を経験しています。
スキーリゾートへ行ってスキーを楽しむには予約するものがいくつもあります。列車などの交通手段、ホテル、レンタルのスキー用具、リフト券などはオンラインで予約できます。スキーのインストラクターの時間も予約できます。
スキーリゾートの中には、ランチやディナーの予約、スキーバスの到着時刻の検索なども含めて、総合的に利用できるナビゲーション機能のついたスマホのアプリを提供しているところもあるようです。シームレスなUXの設計が重要になってきますね。
現地ではスマホ画面などを使ってタッチレス、コンタクトレスでの入場などが一般化しています。この流れはCOVID-19が確実に後押ししました。支払いやホテルのチェックイン、食事の注文などでは非接触型テクノロジーの利用がスキー客側にも店舗側にもメリットを生み出していそうです。
プロならなおのこと、アマチュアであっても各種ウェアラブル機器------GPSトラッカー、バイタルデータを収集する機器、ゴーグルの中にARで各種情報を表示する機器など------の発達は、パフォーマンス向上に大いに役立っているようです。
雪のデータ、斜面の状態のデータ、危険な場所の予測と警告などをスキーヤーに知らせることができるスマート・ゲレンデの登場も時間の問題とされています。
スキーヤーたちが身に着ける防具(プロテクター)やヘルメット、雪崩対策のエアバッグ、GPSによる追跡機器なども進化を続けています。
スキー用具のカスタマイズはプロが専門家に依頼するくらいでしたが、3Dスキャンが簡便に行えるようになったため、一般のスキーヤーであっても自分にぴったりのウェアやスキー靴を簡単に作ることができるようになっています。体にフィットする用具やウェアは事故防止にも役立ちそうです。ウェアや靴のインソールは外気温や体温に応じて体温を調整する機能も持ち始めています。
オリンピック中継などを見てもわかるように、スポーツをファンに伝える映像にはさまざまな先端技術が使われていて、すこし前までには見ることが不可能だった視点からの映像や、スピードや風速などのデータを数値で確かめながら競技を観戦することが可能になってきました。
VRによって、これまでスキーで滑走する経験をする機会がなかった人々にも、仮想的な経験を提供することができるようになっています。これはウインタースポーツを楽しむ人の数を確保する意味でも重要そうです。
<参考情報>