シニアの暮らしのためのテクノロジー

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世界のどの国でもかつては高齢になって孫の世代が経済活動の中心になる頃には仕事を引退して穏やかに暮らしたものだと思います。

 

日本でも定年退職の年代は上がる一方ですね。戦後から高度成長期には55歳。徐々に60歳まで延長されて2004年には65歳までの雇用確保措置が義務化されました。

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今でも60歳で退職する人もいれば、65歳まで、あるいはもっと長く仕事を続ける人もいるようです。現実問題として年金だけでは不十分という話もあり、また、実際には加齢による健康上の問題を抱えているシニアが多いわけですが、働き続ける人はこれからも増え続けるのではないでしょうか。

 

ただし、その職場は自宅から近い場所に変わる傾向があるようです。パンデミックの影響で世界的にリモートワークが一般化しましたから、自宅で仕事をすることも以前ほど珍しい光景ではなくなりました。

Web会議やプロジェクト管理ツールなどのテクノロジーが働き方の幅を広げたことは間違いなさそうです。

 

病気の早期発見にもテクノロジー(AIやマーカー)が活躍しています。病気は、病気になってから治療するよりも、病気を予防する方が安上がりです。

また、健康状態のモニタリングにもテクノロジーが活躍します。日常的にモニタリングすると異変を即座に捉えたり、予測することも可能になってきます。

医療記録は病院やクリニックでは電子化が進みました。手書きのカルテはだんだん減ってきています。しかし、同じ人が複数の病院やクリニックにかかっている場合、その人の記録はバラバラに保管されています。このような状況は次第に改善されるでしょう。例えば、処方箋は電子化されてクラウドで管理されるようになりつつあるようです。これだけでも紙製のお薬手帳よりもずっと整備された医療記録が利用可能になるはずです。

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認知トレーニングも自宅やコミュニティの中で実行可能になってきています。高齢者が認知の健康を維持するには、コンピュータが提供するインタラクティブ性が役立ちます。高齢者向けのバーチャルリアリティを活用した没入型の体験機会にも大きな可能性がありそうです。

 

タッチスクリーン、音声認識、ブレイン・マシン・インタフェース、ロボティクスなども視覚、聴覚、筋力などに課題を抱えた人々の助けになります。オンデマンド交通を高齢者も簡単に利用できるようになれば通院の負担が減るはずです。

 

一般的には高齢者になるほど、いわゆるデジタルのリテラシーは高くないと言われます。日本でもスマートフォンを敬遠している人がいまだにいるようですし、仮に使っていたとしても、若者たちのように新しいサービスや操作方法を瞬時に理解したり、応用したりすることは難しいでしょう。

サービス提供側も高齢者を念頭に入れて設計しなければ市場が広がらなくなります。

 

高齢者向けサービスや製品には、アクセスを簡単にすること、予備知識を最低限にすること、インストールを簡素化すること、UXをシニア向けに考えること、そしてプライバシーの保護に留意することが求められますね。

 

<参考情報>

Technology Trends in Senior Care Communities

2022 Technology Trends for the Future of Senior Living

9 Emerging Senior Living Technologies That Will Power the Future of Assisted Living