リモートワークを支える技術
在宅勤務はすっかり一般的になりましたね。Web会議を開催して、参加者の背景に自宅であることを示すようなモノが映っても、気にする人は少なくなりました。特にIT系の企業では、自宅にノートPCとスマホがあれば仕事になる場合が多いようで、大手IT企業の中には、実際に1年間に数えるほどしか出社しないという人もいるそうです。
当然、会社に来る人の数が減れば、通勤費は必要なくなりますし、デスクをオフィスに並べる必要もなくなります。ガランとしたオフィスの家賃を払い続けるのはバカらしいから、ここ何年かでオフィスの面積を大幅に削減した企業が多いようです。
働く側としても、通勤の時間が不要になります。電車通勤であれば満員の中で長時間過ごすストレスから解放されます。自動車通勤ならば運転のストレスや交通事故のリスクが減ります。特に感染症が心配な時期に満員電車の中で長時間過ごすのは、精神的なストレスと同時に感染リスクも高まります。
自宅でできる仕事をいくつもの技術が支えています。
- クラウド
企業はさまざまな社内システムを使っています。勤怠管理、スケジュール管理、ワークフロー、経費精算、給与、その他のシステムが導入されていれば、印鑑や手作業での記入や計算が楽になっているはずです。しかし、それらがオンプレミスだったとしたら、リモートワークをする社員が社内システムにリモートアクセスして使うことになります。
その場合、まず、セキュリティを強化する必要があります。それとともに同時アクセス数の増加に対応して、回線容量など設備を増強する必要があります。増強しても最繁時、例えば9時始業なら9時とか昼休みの終わる午後1時にアクセスが集中し業務が滞ってしまいます。
社内システムがクラウド・ベースであれば、そうした懸念は軽減できます。
大量のドキュメントは、個々人のPCに保存されていては、チームでの活用が難しくなるので、Boxなどのクラウドストレージのに保管して、きちんとバージョン管理をすることが一般化してきています。
- Web会議ソリューション
パンデミック以降、世界で最も利用が増えたのがZoomやTeams、WebExなどのWeb会議ソリューションではないでしょうか。特にファイル共有機能によって、参加者が同じ画面を共有しながら会議をするのが当たり前になりました。対面の会議の場合、特に他社との会議や営業活動では紙の資料が使われていましたが、SDGsへの関心の高まりとも呼応するように、Web会議ではほとんど紙の資料は使われません。
ただし、使い慣れてきて、使いすぎてしまうと、弊害もあります。ダラダラとなかなか終わらない長時間のミーティングは生産性を低くしてしまいます。
- プロジェクト管理ツール
チームメンバーが同じ職場で働いている場合でも、プロジェクトの進行を管理するのは難しく、AsanaやBitrix24、Redmine、Trello、Jira、Backlogなどの管理ツールが活用されていました。
チームメンバーが別々の場所で仕事をするならば、こうしたツールの有用性は大いに高まります。プロジェクトやプロダクトの品質を保つには、適切な管理ツールが必要です。
- タイムトラッキングアプリケーション
性悪説か性善説かは別として、マネージャーの大事な仕事の1つは、メンバーが順調に仕事を進めているかチェックし、遅れや困難が生じたら、それを取り除くために助言や支援を行うことです。オフィス空間で一緒にいれば、話しかけるまでもなく仕事の様子が分かります。
オンラインになってほったらかしにするのを恐れて締め切りのリマインダーを何度も何度も送り付けたりすれば、メンバーのやる気を削ぎます。Timelyのような時間管理、トラッキング・アプリケーションが役立ちます。
<参考情報>