アウトドアビジネス
ガジェットを操るデジタルと、自然を満喫するアウトドアとはかけ離れた世界に見えていたかも知れませんが、そんなことはすっかり過去のものになりましたね。
アウトドアビジネスはテクノロジーに依存しています。それというのも、昨今のデジタル技術は、消費者とビジネス、ビジネスとビジネスを強固につなぐために活用されるので、どんなビジネスであってもテクノロジーと無縁ということはありえなくなっているからでしょう。
Webサイトなどで予約を受け付けたり、決済を行ったり、入場にチケットが必要な施設のチケットを送付したり、当日、そのチケットの有効性を確認したりといったことは、電話と紙のメモで対応してきたころに比べると格段に効率的で正確で、以前の姿に戻ることは決してないでしょう。
いわゆる一見さんの予約受付だけでなく、デジタルを使えば会員管理が簡便化できます。オンラインのクラブを立ち上げて、ランニング、トレッキング、サイクリングなどのオンライン・スクールを開講する施設が増えています。会員相互がやり取りを始めると、コミュニティが生まれます。
メンバーシップが機能し始めると、本やTシャツ、グッズなどの販売も、現地の山小屋から飛び出して、ネットで世界を相手にできるようになります。
ライブカメラで紅葉の状況や積雪の具合などを確かめることは以前から可能でしたが、スタッフがSNSで情報を発信し始めてからは、定点カメラでは分からない現地の様子が生き生きと伝わって、利用者を強く誘引できるようになりました。
しかも、スタッフと利用者は双方向でやり取りが可能で、エンゲージメントはかつてなく強まってきています。
検索したり、ブックマークからWebページを閲覧するのと違って、Instagramは利用者側が積極的に情報にアクセスしようとしなくても、利用者のスクリーンに美しい自然の写真を表示することができます。
楽しいハッシュタグ、利用者の関心を引くキャプション、定期的な(例えば毎週1回の)投稿などが利用者を強く惹きつけます。
アウトドアでは公衆モバイルネットワークの電波が届かない場合が多いのですが、LPWAなど低速でカバレッジの広いワイヤレスネットワークは敷設も簡単で、GPSと組み合わせてさまざまな情報提供が可能です。
ポータブル電源の大容量化やソーラーパネルの軽量化によって、旅行者が持ち運ぶモバイル機器の充電問題がずいぶん軽減されてきました。風力を利用したポータブル電源も販売されています。
さらに、ドローンによる映像が、これまで個人では難しかったアングルの記録として残せるようにしてくれたので、旅行者の楽しい体験の記憶が強化されますし、スタッフが空撮した映像は、遠く離れた自宅やオフィスで次の休みのことを考えている人々に魅力的に映ります。
登山計画書のデジタル化やモバイル機器の活用も安全の面で重要な役割を演じているようです。ヨーロッパではかなり以前からドローンを利用した遭難者の探索が行われているようですよ。
<参考情報>