メキシコのデジタル
各国でパンデミックがデジタルのプラットフォームの整備を加速しています。メキシコでも、突然のように、人々はデジタル配信やデジタル取引のプラットフォームを備えている企業を選びはじめ、特に購買力を持つ世代との取引には、デジタル活用が欠かせません。
Wi-Fiが使えなかったりFaceTimeを開けない世代を、若い世代が支援するようになり、家庭にもオフィスにも、デジタル技術を使うための基盤が整ってきました。
逆から見ると、新しいインターフェースで顧客と向き合うことのできない企業は、大きなピンチに直面したということになります。
パンデミックの初期、メキシコでも他国と同じようにマスクや消毒薬を購入しようという人々が店舗に殺到したようです。その後、これも他国と同様、食料品を含めて供給が安定したものの、消費者は過去の不安を鮮明に記憶しています。ほかに選択肢がないという、やむを得ない理由で新しいブランド、つまり、今まで試したことはないけれども店頭で見かけるブランドを購入しました。その後、購買はEコマースにシフトしましたから、消費者はリーズナブルな価格の商品を選び始めました。
記事によるとメキシコの88%の企業がパンデミックに起因する混乱をきっかけに、新たなビジネスモデルへの転換を図っているそうです。91%もがIT化やデジタル戦略への自社の対応について、いわば自画自賛しているようですが、56%はそのスピードについて不十分と感じており、この異常事態の中でIT戦略を強力に推し進めると、従業員に過度な負荷がかかると懸念しているとのこと。確かに日本でも交通機関や旅行業、飲食業が大きな打撃を受ける中、多くのIT関連企業の業績は好調のようですが、IT部門には大きな負担があるようです。
パンデミック以降、もっとも加速したのはサイバーセキュリティ分野、リモートワークのためのソリューション、エッジコンピューティングの分野だそうです。
どこの国でも年齢が高いほどデジタルへの対応スキルは不十分ですから、不用意な使い方によってセキュリティやプライバシー上の問題を引き起こす可能性が高くなってしまいます。リモートワークについてはメキシコの場合、パンデミック以前から32%程度が利用していたようですが、これが55%まで上昇したようです。VPNなどによってセキュアなリモートアクセスが100%行われているわけではないはずで、従業員のセキュリティ教育と足並みをそろえたセキュリティ強化が求められているようです。
<参考情報>