マーテック・カオスマップ
マーケティング・テクノロジー・ランドスケープは、Scott Brinker氏のChief Marketing Technologist Blogが毎年公開している「マーケティング・テクノロジー」企業のマップです。
2011年の約150社から2020年には8000社に急増。もはや数え切れていないようです。今年も4月中には、Marketing Technology Landscape 2021が公開されると思われていましたが、5月になっても公開されていません。
2020年の段階で、もはやカウントすることには余り大きな意味がなくなってしまったということかも知れません。
1枚のシートに数千ものロゴが入っていると、混沌(カオス)以外のなにものでもありません。試しに、下記のリンクから2021年の図を開いて、Web Experience Building &Management(ウェブ経験構築管理)の「島」の中からAcquia社のロゴを探してみてください。まず、その「島」なるものを見つけるために画像をある程度拡大しないと標題すら見えないことに気づかれることでしょう。
ブロックチェーンが大きな注目を集めたりしたこともあって、日本ではフィンテックという言葉がよく使われていました。マーテック(マーケティング・テクノロジー)の方は知る人ぞ知る用語ではありますが、IBMやSalesforceなど世界的な大企業からシリコンバレーやインドなどの活気あるスタートアップまで、これほど多くのブランドが注目に値するということは、それだけこの分野に人々の関心が集まり、お金も動いたということの現れでしょう。
すでに映像やソーシャルメディアを中心に、マーケティングはブランド側の独りよがりでは済まなくなっていて、顧客の、しかも世界中の顧客の活動と密接にリンクしています。静的なブログに少しだけ動画を掲載するだけでは注意を惹くことさえ難しくなっています。顧客側の関心の度合いや、知識のレベル、購買行動におけるステージまで加味した上で、適切なタイミングに適切なコンテンツを提示し、適切な双方向コミュニケーションを取らなければ、顧客は簡単に離脱して振り返ってもくれません。世界は代替品に溢れているのです。
このカオスマップを紐解いて、適切なソリューションを探すことはほぼ不可能です。8000社もあれば、1日に10社を調べても800日かかってしまいます。
まずは自社のブランドの課題をきちんと見極めた上で、経験豊富なソリューション・パートナーを見つけて、トライアル&エラー的に小さく始めて経験値を上げていくのが正しいアプローチだと思われます。混沌とした状況は、この分野の可能性を示していて、同時にこの波を乗り切るためのバディ(=パートナー)が不可欠ということのようです。