公共交通の高度化
公共交通機関の位置情報が分かり、運行状況が分かるようになるには、車両からリアルタイムで情報が発信されるだけでなく、情報の受け手もスマホとモバイルネットワークで情報にアクセスできる必要があります。

カーナビなどは古くからありましたが、渋滞情報、ドライブレコーダーの映像、デジタルタコメーターや車両の状況のデータが、広域をカバーするセルラー網を使って送信されるようになったのは最近です。バスの位置情報はGTFSという規格に従ってオープンデータ化されてきました。独自仕様のバスロケ(バスロケーションシステム)は淘汰されるかも知れません。オープンデータであれば広く使われている地図アプリで簡単に利用できるからです。
自動運転の実用化も進み、EVも増えてきました。AIが様々なデータを分析して予測を行います。インテリジェントでコネクテッド、つまり、自律的に運行が可能で、その様子をリアルタイムでモニタリングできる車両が増えています。
オンデマンドでの運行が増えれば、無駄に車両を走らせる必要がなくなります。朝夕の通勤通学時にはたくさんのバスが必要で、昼間はそれほど需要がないとすると、バスの運転手さんは朝と夕方に大勢必要で、昼間はそんなに必要ないということになります。自動運転バスは人為ミスが少なく、ルート調整も柔軟にできそうですし、効率は飛躍的に高まります。

各国で高齢社会を迎えると小型でオンデマンド走行する、環境に優しいモビリティが強く求められます。管理がデジタル化されるので投資対効果も明確化できます。
5G化が進んでモバイルの通信インフラが強化されれば、自動運転であれ人が運転するのであれ、高度で効率的な公共交通サービスの提供が可能になります。
バスや列車の完全な無人運転化には安全確保を中心にまだまだ課題があるようです。例えば、路線バスの運転手さんは、バスの車体の内外にある10枚以上の鏡を使って、車体の周囲の安全確認だけでなく、乗客がきちんと着席しているかどうかを見ているそうです。
バスが完全に停車する前に席を立つ人がいて、転倒などしては大変ですから、車内の様子を見ながら注意喚起のアナウンスを行っています。無人運転のバスでもAIカメラが社内の安全を確認し、乗客への注意喚起を行うようになるのでしょう。
<参考情報>