自動販売機
コロナ禍で自動販売機のバリエーションが広がりましたね。冷凍のラーメンや餃子、フレッシュなカット・フルーツやサラダ、小型の家電製品やガジェット類、花束やアレンジメントフラワーなどなど。
これは世界的な流れのようです。
無人の小売の歴史は古く、瓶や缶の飲料の自動販売機、銀行のATM、道端のパーキングメーターなどは昔からあります。コインを入れると扉が開いて新聞を手に取ることができるディスペンサーも無人の小売のベーシックな形態です。
日本はかねてから自動販売機が多い国として知られているようです。列車の切符も食堂の食券も自動券売機が無人で販売してくれます。治安のよくない国などでは、屋外に自動販売機を設置しておくと夜間などに破壊されてしまって現金が奪われてしまうので、24時間路上に設置される自動販売機がほとんどない地域もあるようです。
デジタル技術、AI、IoT、モバイルアプリの台頭が自動販売を新しいステージに導きました。
自動販売機は通信機能を持っていて、リアルタイムデータを離れた場所に送ってきます。どこで何がどのように起こっているのか把握して、必要な手を打つことができるようになりました。かなり古くから飲料の自動販売機は通信機能を持っていて、温度が適正に保たれているか、どれくらいの飲料が残っているかを知らせてくれていました。適切なタイミングで在庫を補充することができれば、欠品による機会損失を抑えて、オペレーション費用も同時に抑えることができます。
自動化を進めて人が行う作業は簡素化すれば、働く人の負荷も軽減されます。
決済はキャッシュレス化され、自販機を破壊しようという悪い人たちの動機を奪っています。現金を扱っていると強奪されるリスクだけでなく、輸送の手間、正確に数える手間、保管したり銀行に預ける手間などが常にあります。在庫管理と同じように現金の取り扱いも反復タスクです。キャッシュレス決済によって、こうした作業は極端に少なくなりました。
将来の需要がかなりの精度で予測できるようになるので、実店舗、オンラインショップ、無人販売といったマルチチャネルでのオペレーションでも在庫レベルを自律的にコントロールすることが可能になりました。人が介在して商品の補充計画を立てるには、熟練のスキルと時間が必要です。また、人は間違うことがあります。リアルタイムデータをAIが分析する場合、エラーは減り、時間も大幅に短縮できます。
若い世代は、よりスピーディでイージーでパーソナライズされたショッピング体験を求めます。SNSを使った情報提供は、中小・零細規模のビジネス------地元のパン屋さん、農家、レストランなどなど------が新しい顧客を誘引する強力なツールになります。セルフサービスや自動販売機で食料品や料理を売るためにには、リアルタイムの監視・管理が必要ですが、デジタル技術によって高度な運営が小さなビジネスにとっても可能になりました。
<参考情報>