ハイフレックス
HyFlexとは、ハイブリッド(hybrid)+フレキシブル(flexible)の合成語で、対面式(教室に集まっての講義)とオンライン授業、オンライン学習を柔軟に組み合わせて、学ぶ側の利便性を高めつつ学習効果を高めるための取り組みだそうです。
パンデミックに対応するために世界中の学校がオンラインに力を入れました。キャンパスライフというのは教室でレクチャーを受けるだけではなく、グループワークやクラブ活動、食事やスポーツチームの応援など、リアルの場での人と人とのコミュニケーションからも得るものが多いということで、自宅でPCの画面越しに教授やクラスメートの顔を見たり会話するだけでは不十分だという指摘が多かったようです。
HyFlexが注目を集めているのは、学習者側の利便性を考慮した柔軟なカリキュラム設計にあるそうです。
1つの学科は、教室の集合学習、オンライン・ライブ授業、予習・復習・独習用のネット上の各種教材が組み合わされて設計されます。
そのために教室の設備が刷新されるケースが多いようです。これまで以上に大型で、日光が当たっても見やすいモニターやスクリーン、オンライン授業で使うためのカメラは話している人を自動的に追いかけて、画面の中に教授が必ず収まるようになっているものや高精細なものが選ばれ、マイクも教室のさまざまな場所での発言が拾える機能が求められたり、さまざまな機器はワイヤレスでつながることが求められたりします。
どの形態で授業に参加するかは、学生の側が選択できるようになっていることが重要なようです。フルタイムの学生だけを相手にしているならば話は比較的単純ですが、社会人学生が大勢学ぶことが一般的な諸外国では、学生には複数の責任、つまり、収入を得るために仕事をしたり、家族の面倒を見たりという仕事をしたりしながら勉強する必要があります。
そうした状況では、選択肢がいくつもあって、その時々の事情によって授業参加方法を選べれば、仕事の都合でときどき夜のクラスを欠席しなければならない均質的な旧来のカリキュラムに比べて、学生の側の学習効果が上がるのは当然のことでしょう。
教える側がこうしたツール類の使い方に慣れて応用を始めれば、授業の魅力も上がるはずです。また、COVID-19とは別の感染症がいつかまた猛威を振るうときが来ても、学期の途中からオンラインのみに切り替えてコースを続行することもできるはずです。
<参考情報>