ファストフード

Digital Marketing

外食産業の中でファストフード業界は顧客の利便性追求や顧客のエンゲージメント獲得において先導的な役割を担ってきました。

ピザ

お客様を待たせず、満足できる食事を安価に提供して、リピート購入してもらうためにはさまざまな創意工夫があったようです。

パンデミックが世界を覆うよりも前からドライブスルーはごく普通に見られましたし、宅配も行われていました。しかし、COVID-19によって世界中のファストフード店は顧客との接触を最小限にするため、ドライブスルーを強化し、スマホでの注文を容易にし、キャッシュレス決済を推し進めるしかなかったようです。

一部の店舗では、ドライブスルーの効率を上げるために少量の注文の場合に並ぶエクスプレスレーンを分けて設置したところもあるそうです。少ししか買わないお客さんの待ち時間を短くして回転を上げるためです。アメリカのスーパーマーケットには巨大な買い物カートに大量の食料品などを乗せてレジに並ぶ人が大勢いるため、なかなか列が進まないという問題があったようで、中にはエクスプレスレーンを設けて、例えば10品以下の買い物の人の専用レーンを作っている店もあるようです。

ドライブスルーで、モバイル注文の受取用のレーンを分けたファストフードチェーンもあるそうです。ピックアップ用のロッカーを作ったり、ピックアップ専用の駐車スペースを作ったチェーンもあります。こうした取り組みが可能になったのは、注文と決済をスマホで済ませて、受け取り時刻や待ち時間を離れた場所にいる顧客にダイレクトに提示することがアプリなどを通じて可能になったからです。こうしたことを例えば電話注文だけで行っていたら、バックヤードの調理チームとの連携も含めて店のスタッフたちは大混乱に陥ったに違いありません。

寿司

AIやビッグデータ、顧客のプロファイルを使い、時間帯や天候その他の情報を踏まえて最適のメニューやクーポンを提示する試みも始まっています。ファストフード、中でもハンバーガーのリピート購入機会が多いアメリカの顧客の場合、定番の注文やたまったポイントなど過去のデータに基づいてお得意様に的を絞った特別サービスが特に有効のようです。

音声認識技術もファストフードの注文を変えていきます。これも非接触を保つ意味合いがあり、オーダーが直接デジタルデータになって厨房システムと連携できる強みもあります。

健康志向の顧客向けの情報提供も普通に行われるようになっていますが、一方的な大量情報の発信ではなく、顧客の個々人の嗜好や健康状態に応じてカスタマイズされた情報が、特定のメニューの注文を躊躇させたり促したりするようになりそうです。注文の途中で「カルシウム不足ではありませんか?」とアプリが質問してくるようになったりするかも知れません。

ピザやハンバーガー、薬などの宅配に自動運転が使われ始めています。複数のオーダーを1台の自動運転車で宅配する場合、他の注文者が間違って受け取らないように、スマホに表示するQRコードなどが使われます。

オンライン

ロボットということでは最も注目されているのは調理ロボットでしょう。何から何までロボットに作らせるという試みは難しいようですが、単調な作業を正確に繰り返し、しかも、揚げ油の温度などをセンサーから受け取りながら微調整するとなると、人間よりもロボットの方が得意かも知れません。ロボットにも難しい作業があるようで、それは人間が行うことによって補い合う協業型のロボットが各国で試されています。AIカメラが食材の種類や場所、状況(焼き加減など)を読み取ることができるからこその技術のようです。

これからもファストフードは外食産業にさまざまなイノベーションをもたらしていくようです。

<参考情報>