ビューティー・テック
美容業界にもテクノロジーの影響が出ています。
いちばんの注目はサステナビリティでしょう。持続可能な製品、持続可能なパッケージングが求められています。また、商品や企業活動が動物保護の観点から問題ないことを示すクルエルティフリー、微生物の関与で分解される生分解性プラスティック、無香料、プラスティックフリー、倫理的で公正な調達活動をしている企業の製品が強く求められています。
メーカーは二酸化炭素排出量と気候変動への影響を最小限に抑える方法を見つけなければなりません。
デジタルを使って個々の消費者にパーソナライズした製品を届けることが可能になってきています。自分に合った製品を購入できれば、返品する可能性が低くなります。無駄な商品を買う機会も減ります。特にコスメについては自分にぴったりの商品にたどり着くまでにたくさんの製品を使ってみる傾向が高いようです。過剰消費を世界規模で抑制できれば、環境負荷を大きく抑えることができそうですね。
パーソナライズが上手く働けば、美容業界で大量に出回るサンプルとそのパッケージを削減することができます。AIのアルゴリズムを通じて、ぴったりの商品を知らせ、届けることができれば、ブランドがサンプルに割く資源を抑えることが可能です。
消費者は自分が責任を果たしていることを実感するために、ブランドには透明性を求めます。原材料の調達方法を信頼できるか、途上国などの原料調達先に無理強いをしていないを確かめたい消費者が増えるでしょう。トレーサビリティを担保するにはデジタルのパワーが不可欠でしょう。
パンデミックの影響で外出のためではなくWeb会議のためにメイクアップしたり髪を整える人が増えました。照明にも気を配って、Web会議やInstagramのフィードでの見栄えをよくしたいと思う人が世界規模で増えたのです。
リアルにメイクアップする場合もあれば、ARやフィルターを使って一時的にメイクを変更したり、髪の色を変えることができます。
ブランド・サイトにトライオン(試着)オプションが普及しました。画面上で消費者がメイクアップ、口紅、ファウンデーションの色合いを簡単に試すことができます。メガネ業界ではバーチャル・メガネを自分の3次元の顔にかけて、自分の目で四方八方から見るという、現実社会の鏡では絶対不可能なお試しを実現してきました。今後、宝飾業界や理容美容業界にも浸透することでしょう。
肌や髪の状態を「スキャン」して送って診断してもらうサービスも増えています。これによって肌や髪の地肌の傷みを診断して、治療に役立つ情報や薬品を提供することができるようになっています。
スマートブラシはセンサーを使って枝毛や傷んだ髪を識別したり、髪の状態に合わせてブラッシングのガイドをしてくれます。
今はこうしたテクノロジーを利用した製品・サービスが個々別々に存在していて、それぞれがスマホの画面で別々のアプリになっていますが、やがて統合される日が来るかも知れません。
<参考情報>