デジタル・マーケティングの潮流

欧米、特にヨーロッパを中心に個人情報保護やプライバシーに関する消費者の懸念が強まったので、世界のデジタル・マーケターはクッキーなき未来を見据えています。

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クッキーにより個人の好みについて多層的な情報を得るための識別子ですが、以前からユーザーの中にはプライバシーを侵害されていると感じていた人が多くいたようです。
GoogleはChromeブラウザでサードパーティのクッキーを削除しましたし、AppleはiOSのデバイス識別情報へのアクセスに待ったをかけました。
クッキーが使えなくなるとターゲティングができなるなるという不安な声もある一方で、そろそろターゲティングの粒度が細かすぎて、逆に広告がうまく機能しないと感じるマーケターもしるそうです。
要するに購買までのジャーニーの中で、購買者はどの広告に触れたのかという情報が重要だという考え方です。
つまり、どのユーザーがアプリをダウンロードしたかが知りたいのではなく、どの広告がアプリのダウンロードを促したかという情報の方が知りたいというわけです。

サイトを訪問してくれたビジターが、さまざまなナーチャリングの過程を経て、購買客にコンバートしてくれた時、その変換(コンバージョン)に寄与したのは何なのか知ることが重要でしょう。Webサイトの広告なのか、SNSの投稿なのか、YouTubeで提示される動画広告なのか。コンバージョンをモデル化して、ビジターをコンバート(変換)する最も効果的な方法を確認するために、こうした情報を詳細化する必要があります。

インフルエンサーを使ったマーケティングは、かつてはリスキーでコストのかかる非効率な方法と目されていたそうですが、世界中で着実に成長し、その勢いは増すばかりのようです。そうした中で、地元の狭いエリアの人々に影響を及ぼすローカル・インフルエンサーが注目を集めています。パンデミックを経て、ネット通販や宅配が急成長した反動もあって、多くの人々が地元の小売店やレストランに足を運ぶようになっているため、大変重要な役割があります。

ソーシャルメディアの投稿の自動化も進んでいます。適切な時間帯に適切なメッセージを出すために、マーケターが24時間体制でいる必要はありません。条件を設定したり、スケジュールを設定することで、投稿は自動化されて強力なプッシュになります。
このほかにも様々な自動化(オートメーション化)サービスが採用されてきています。

ただし、アマチュア・インフルエンサーの時代は終わるようです。言っていいことと悪いことなどをわきまえずに、正直な言葉を発するアマチュアの声は、アマチュアが間違いを犯すことが多いことが分かるにつれて人々の胸に響かなくなってしまったのだそうです。

まだ、AIがコンテンツを自動生成してマーケティング・プラットフォームに自動投稿するまでには至っていないものの、機械学習は例えば、さまざまな「候補」(言葉の表現、画像の表現などなど)を集めたり作ったりすることに活用され始めています。文字通り、黙々と探したりまとめたり、統計的な優位性を示したりしてくれるのでマーケターの業務の質が向上します。

マーケ


チャットボットも洗練を続けていて、今や多くの国で顧客のコンバージョン、少なくともナーチャリングには欠くことのできない技術となっています。



<参考情報>