IoTが支える体育とスポーツ

学校教育は、モバイルやクラウド、ソーシャル・ネットワーキング・サービスと無縁というわけにはいきません。

カメラやGPS、センサーなどスマートフォンに実装されているハードウェア的な機能に加えて、さまざまなアプリケーションが人々のスポーツやフィットネスを支えています。測定記録などをデジタルデータとして保存したり、傾向を分析したり、異常を検出することが容易になりました。
教育現場で活用できるものは少なくなさそうです。

同じことは社会人で運動を心がける人や、高齢者にも当てはまります。どこの国でも、以前に比べると座ることが中心のライフスタイルが主流になってきています。歩く距離は短くなり、階段を昇り降りする時間を短縮するためにエスカレーターやエレベーターを利用し、特にオフィスで働く人々は座っている時間がとても長くなってきています。これでは老化が早まりますし、肥満、糖尿病、心血管、脳血管、骨粗しょう症などさまざまな病気にかかるリスクが高まります。

ジム


また、喫煙率はゼロにはなっていませんし、アルコールや炭水化物の過剰摂取、揚げ物や甘い物など、美味しいものを摂り過ぎることは危険因子です。リアルな接点でのコミュニケーションの機会が少なくなり、デジタルデトックスが必要となるような生活習慣では気力など精神的な面にもいい影響ばかりとは言えないでしょう。

これまでもDDR(ダンス・ダンス・レボリューション)やWii、マイクロソフトのKinectを使ったインタラクティブなゲームは多くの体育教室や高齢者向け施設で利用されてきました。エクササイズとゲームを組合わせたエクサゲームは、現代社会の諸問題に対する解決策の1つかも知れません。

体育の授業にもスマートフォンを補助的なデバイスとして活用する例がアメリカなどでは増えているようで、ゲーミフィケーションなどの手法を使って生徒の運動に対する関心を刺激して、実際の運動の動きを記録して、スキルの向上に利用することが始まっているようです。特に動画は、これまで運動の動きを録画して、後から目で見て、よいフォームと比較して、フォームを改善する材料などとして使われてきました。つまり、動画を見る側に情報をキャッチするスキルがなければ、単に動きを記録したものでしかなかったのです。
この場合、自己流を脱するには適切なコーチの存在が不可欠ということになります。

プール


今では動きは三次元でとらえることができ、カメラ角などの影響を補正して、動きを正確に補足することができます。