ファクシミリはなくならない?

NHKの番組などで、視聴者からFAXを送るように促しているのをご覧になったことはありませんか?

テレビ番組で、視聴者から送られたファックスをたくさん壁に貼り付けて映したりしています。出演者への応援のメッセージや、似顔絵などが並んで華やかですね。
ドラマの出演者やスポーツ選手たちが、ファンから送られるメッセージに目を細めている様子が放送されます。

ラジオ番組でもメッセージは電子メールかFAXで送るように促しています。

総務省の2020年の調査によると、日本の家庭の3分の1、33.6%がファクシミリ通信機を持っていることが分かりました。ゲーム機を持っている家庭は29.8%ですから、日本ではゲーム機よりもファックスの方が多いのだそうです。

ただし、年齢によってずいぶんと違うようで、50代の半数がFAXを所有している反面、20代では2%未満という調査結果もあるようです。

ファックスはなぜなくならないのでしょうか。

印刷機


よく言われるのは、病院、学校、役所とのやりとりで必須というものです。小学校の欠席連絡などはいまだにFAXが使われることが多いようです。これだけスマホが普及しているのですから、保護者から先生にメールやチャットを送れば済むようにも思えますが、先生には授業中も職員室での執務中でも、スマホ画面を見つめていて欲しくはないもの。職員室のファックスに送られたものを紙で机に置いておく方がいまだに好まれているのでしょう。

病院と保健所の間の連絡もファックスだったので新型コロナの対応で大変苦労したお医者様が多いという報道もありました。

ビジネスでのやり取り、例えば見積書、注文書、納品書、請求書などが、会社の印鑑の朱肉もモノクロにしてファックスで送ることはいまだに広く行われています。メールならば、送信元のアドレスで、確かにその会社から送られたと分かりますが、本文には印鑑も押せないし、手書きで修正したい部分を伝えることもできません。

中小企業にとっては、デジタル化に費用がかかることもファクシミリに執着せざるを得ない原因となっているようです。

手書きだと暖かみが伝わったり、メモと一緒に簡単な絵を添えたりできるので、ファックスを好む人たちもいるようです。

けれども、やがては本当に博物館に展示されるようになるのでしょう。少なくとも、紙に出力して郵送したりファイリングするということはなくなるのではないでしょうか。

NHKの朝の情報番組などに出演した役者さんやスポーツ選手に応援メッセージやイラストを全国から送ってもらって、それをまたTVカメラで写して生放送で全国に伝えるには、ファックスが優れた媒体であることは間違いなさそうなのですが。