Jiraで工数管理を行う方法-作業ログ入力から集計・可視化までわかりやすく解説

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Jiraで工数管理を行う方法-作業ログ入力から集計・可視化までわかりやすく

 

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Jiraで工数管理を行うメリットは、作業ログを粒度高く記録し、プロジェクト全体の稼働状況を可視化できる点にあります。適切に設定・運用すれば、工数の偏りや遅延の兆候を早期に把握でき、見積精度の向上やプロジェクト損益の改善につながります。
この記事では、作業ログ(ワークログ)の入力から集計、ダッシュボードでの可視化、運用改善まで、実務に必要な流れを一通り解説します。

 

Jiraで工数管理を始めるための基本設定

ワークログ(作業ログ)の仕組みと工数管理に必要な設定

Jiraで工数管理を行うには、まず「タイムトラッキング」機能が有効化されている必要があります。プロジェクト設定でタイムトラッキングがオンになっているか確認し、「元の見積時間」「残り時間」「作業ログ」を記録できる状態に整えます。
作業ログの追加・編集権限がユーザーに付与されているかも重要です。特に複数チームで運用する場合は、プロジェクトロールとワークログ権限の整合を事前に確認することで、入力漏れや権限エラーを防止できます。

 

チームで統一すべき作業時間入力ルール

工数管理を機能させるには、チーム全員が共通ルールで作業ログを入力することが欠かせません。
たとえば「作業ログは当日中に記録する」「最小単位は15分」「作業内容は簡潔に記載」「元の見積時間との乖離は都度調整する」といった基本方針をあらかじめ明確にします。
また、定期的にログ入力率をレビューし、入力漏れに気づける仕組みをつくることで、実績工数の精度が大きく向上します。

 

作業ログを正しく入力する方法

課題画面からの基本的な作業時間入力フロー

作業ログは各課題画面から入力できます。作業を完了したタイミングで「作業ログを追加」を選択し、実績時間と作業内容のメモを記入します。あわせて残り時間を調整することで、見積りと実績の差分をリアルタイムで把握できます。
特に複数メンバーが同一課題を担当するケースでは、ログの粒度が成果物管理の精度にも影響するため、作業内容の簡単な要約を残す運用が効果的です。

 

入力漏れを防止する効率的な記録方法

ログ入力は習慣化が鍵です。日次での入力が理想ですが、負荷が高い場合は週次振り返りの時間を10分程度設け、まとめて記録する方法も有効です。
また、Tempo Timesheetsなどの外部アドオンを活用すると、カレンダー連携・タイマー記録・レポート自動化が行えるため、入力漏れを大きく減らせます。ショートカットやブラウザ拡張機能を使うと、日常業務の中で自然に記録できる体制を整えられます。

 

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Jiraで工数を集計する方法

標準レポートとJQLを使った工数集計

Jiraの標準機能である「Time Tracking Report」は、課題ごとの見積り・実績・残時間を一覧で確認できる基本レポートです。
より詳細な集計を行いたい場合は、JQL(Jira Query Language)を用いて「特定プロジェクトの特定期間」「担当者ごとの実績工数」などを柔軟に抽出できます。作成したフィルターはダッシュボードやレポートに再利用できるため、月次や週次の定例レポート作成にも活用できます。
 

メンバー別・プロジェクト別の工数を読み解くポイント

工数集計では、単に実績時間を見るだけでは不十分です。担当者ごとの稼働比率、タスクの偏り、見積り乖離の傾向などを把握することで、改善点が見えやすくなります。
また、プロジェクト横断で工数を比較できると、チーム全体の負荷分散や次期プロジェクトの計画にも役立ちます。遅延兆候の早期把握や、作業工程ごとの最適なリソース配分にも効果的です。


ダッシュボードで工数を可視化する方法

工数管理に使えるガジェットと可視化の基本構成

Jiraダッシュボードは、工数を直感的に把握するための強力な可視化ツールです。標準で実装されているフィルター機能を利用すれば、担当者別・課題タイプ別・期間別の工数を一覧化できます。
作成したリストの組み合わせにより、プロジェクト全体の稼働状況や進捗傾向をひと目で確認できるダッシュボードを構築できます。

 

週次・月次レビューに使えるダッシュボード設計例

週次は「担当者別工数」「日別推移」を中心に表示し、短期的な変動を把握する設計が有効です。月次では「課題タイプ別工数」「プロジェクト別工数」「見積りとの乖離」を可視化することで、振り返りと改善策の検討につながります。
レビューで使用する項目をあらかじめ統一しておくと、会議の効率化や意思決定のスピード向上にも寄与します。

 

日次・週次レビューの取り入れ方

運用を定着させるには、レビューの仕組みが不可欠です。日次では作業ログ入力漏れのチェック、週次では見積りとの差分レビューを実施することで、継続的な改善が可能になります。
また、チームで入力基準やレビュー項目を統一しておくと、工数管理の精度が安定しやすく、メンバー間の認識差異も減少します。

 

まとめ | 工数管理はプロジェクト改善の鍵

Jiraで工数管理を行う際は、
① 入力ルールの統一
② 作業ログ入力の仕組み化
③ JQL・レポートの活用
④ ダッシュボードでの可視化
⑤ 定期的なレビュー
という一連の流れを確立することが成功の鍵です。工数管理は単なる時間記録ではなく、チームの生産性向上・プロジェクト改善につながる重要なマネジメント領域です。

 

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