ペットテック
ペットもデジタル技術に取り囲まれています。
最初に出てきたのは、部屋で飼っている猫や犬を仕事場のPCやスマートフォンから見るためのWebカメラでした。その後、遠隔で餌をあげたり、音声や映像でペットとやり取りをしたりする装置やシステムが続々と出てきました。
中にはレーザーポインターを遠隔操作できるものもあって、部屋の中で“退屈”しているペットと職場から“遊ぶ”ことができる製品も出てましたね。
ペットそのものにデジタルデバイスを装着するタイプもいろいろあります。例えば、バイタルサイン(体温や脈拍など)を計測したり、GPSで位置情報をトラッキングしたり、運動量を測定したりと、飼い主の人間と同じように可能になっています。
こうした情報は単に飼い主がペットの健康状態を監視するだけでなく、獣医さんに基礎データとして提示されることもあるようです。
獣医さんのところまで行って、待って、診察を受けることは、飼い主はもちろんペットにとってもストレスの多い体験のようです。そこで、オンラインのアプリやビデオチャットなどを活用して、獣医と飼い主とペットがやり取りすることで、軽症の場合のケアを指導するスタイルが歓迎されているそうです。
ペットの健康は飼い主の最大関心事と言ってもよいもので、ペットフードも健康によいものが選ばれます。そのため、大手の商品だけでなく、ニッチを狙った小規模なDTC(direct to consumer)のデジタル・ファーストなアプローチが成長しています。大規模なマーケティングキャンペーンの代わりにパーソナライズ、カスタマイズを前提に、消費者のフィードバックをリアルタイムで獲得しながらビジネスを展開するスタートアップがたくさん登場しています。植物由来のカンナビオール(CBD)関連商品は、ペット向けのご馳走、サプリメント、オイルに広がっていて、世界的に急成長している市場です。
ペットフードやサプリメント、その他のペット向けの商品は、口コミの評価やカスタマイズが容易で、COVID-19の影響に強いEコマースが主要な流通チャネルとなっています。
Instagramに登場して人気を博するペットは世界中に存在していて、フォロワーが数百万というケースもざらのようです。
モバイルグルーミングというビジネスも登場しています。ブラシ、ドライヤー。テーブル、さまざまなシャンプーその他の液剤や水を入れる大きな容器など、グルーミングに使う道具は大量なので、これらをバンなどに乗せて、オンデマンドで出張グルーミングを行うと、飼い主にとってもペットにとっても、自宅に美容師さんが来てくれるといった感覚で、大変便利なのだそうです。
<参考情報>