農業は第二次産業

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古典的な産業の分類に従うと、自然界に働きかけて行う産業が第一次産業で、農業、漁業(水産業)、林業、鉱業がこれに該当しますが日本では鉱業を含めないようです。

第一次産業が生み出したものを原材料として加工するのが第二次産業というわけですが、デジタル技術の発展で、農業や漁業の工業化が進んでいるとも言われています。

トラクター

例えば農業ですが、大昔は自然に育っていた植物の実や葉、根などを人が採取して、そのまま、あるいは調理して食べていたのでしょうが、やがて種や苗を人が植えたり、水をやったり、さらには堆肥などの肥料を与えるようになって収量を増やす工夫を始めたわけで。

農業そのものが研究の対象となって、適切な肥料や温度、水などの管理が行われるようになって現在にいたるのですが、それでも農業や林業、漁業には、それに従事する人の経験や勘に頼る部分が多そうですね。また、自然の影響を受けやすく、日照りや大雨、台風や冷害などで農作物の収量は大きく変動してしまいます。

 

しかし、さまざまな技術が農業を変えようとしています。ゲノム編集により病気や害虫に強い種子の開発が進んでいます。天気予報の精度が上がり、天候の変化への備えが可能になってきています。また、売り先である市場の情報もデジタル技術によってリアルタイムに農家に届きますから、生産や収穫、出荷の計画が立てやすく、経験に頼ってとにかくやってみるという状況から、AIなどの判断に従って最適な時期に最適な方法で行動することが可能になってきています。

 

種子の種類に応じた土壌の状態(成分、水分、温度など)はIoT技術の発展によって遠隔地であっても簡単に集められるようになり、ドローンを使った監視や農薬の散布も現実のものになってきています。農作物そのものにもセンサーが装着されて、最適な収穫時期が分かるようになっています。

ビルの中や地下で、水槽と照明機器を駆使した水耕栽培は、温度などが正確にコントロールされていて、確かに農地というよりも工場をイメージさせますが、今や普通の畑であっても、さまざまなセンサーが設置されて、LPWAなどの無線ネットワークにつながって、定点カメラやドローンに搭載したカメラで監視され、人工衛星からの映像を人工知能が分析して、次のアクションを教えてくれるようになってきています。

ドローン

さらに収穫後の保管、価格設定、輸送にもICTは欠かすことができません。農作物の価値が最大化されれば、農家はさらに効率的に使われるようになります。

 

特に洪水や干ばつ、害虫などの被害に苦しめられてきたインドなどの農業は、世界有数のIT国家に変貌を遂げた国ですから、官民が協力して大規模農場だけでなく村の小さな農家も巻き込んで、農業革命を進めようとしているようです。

 

特に世界的な気温の上昇は※などの収量を減らすと予想されていて、「農業の工業化」を進めることは人口の多いインドにとって極めて重要なことに違いありません。

 

<参考情報>