キッチンカー・テック
キッチンカーは日本でも海外でも成長している業態のようです。好調であれば新規参入が増えます。競争が激しくなると、他に抜きん出なければなりません。デジタル技術はここでも重要な役割を演じているようです。
飲食店向けPOSシステムはもともと移動しないレストランで使われることを前提に作られたものです。キッチンカーや、昔からある屋台にはレジのような大掛かりなハードウェアは使われていませんでした。顧客は注文した食べ物や飲み物を受け取るときに現金で支払い、キッチンカーはお釣りを渡すだけのシンプルな商売が主流だったはずです。
オペレーションは一見シンプルに見えますが、一日の終わりにその日の売上を調べるには、現金を数えるしかありません。何がいくつ売れたのかは、注文のたびにメモを残さない限り、残った食材などから推測するしかありません。
キッチンカー------アメリカではフード・トラック------での利用に最適化されたPOSシステムはたくさんあります。従来のPOSは場所を取りますし、モバイル通信機能は不十分です。キッチンカー向けPOSは設定が簡単で、ハードウェアは最小限。モバイルでクラウド接続が必要ですが、常時接続でなくても、つまり、ネットに接続でない場所でも使用可能なものが多いようです。イベント会場など、住宅地から離れた場所では必ずしもモバイル通信環境が充実しているとは限りませんから、クライドに常時つながっていないと動作しないPOSでは利用できる場所が限られてしまいます。iPadやAndroidタブレットなどの汎用的なハードを上手く利用したものが多いのもモバイルPOSの特徴です。
POSは在庫管理にも使えますし、仕入れ管理システムと連携できれば、食材の発注か調理・販売のサイクルを最適化して回すことができるようになります。
決済システムの中には、単にQRコードなどで決済するだけでなく、顧客に領収書を渡したり、電子メールを使ったマーケティングにも利用できる機能を持ったものがあるようです。
キッチンカーは毎日同じ場所で営業するとは限りません。リピート客になってもらうためには、いつ、どこにいるかを知らせる必要があります。その場合に役立つのがGPSとソーシャルメディアでしょう。
単にランチを買い求める顧客に所在地を知らせるだけではなく、イベント主催者やケータリングの注文をしたい人とつないでくれるサービスもあるそうです。イベントや大きなパーティーなどでキッチンカーを呼びたいケースは意外に多いようなのです。
テキストメッセージな電子メールによるマーケティングと併せて、SNSによる情報発信が重要になっています。
メニューボードは黒板や紙を使ったものが一般的ですが、トラック側面にデジタルサイネージを設置するキッチンカーも増えています。メニューはローカルで管理することもできますし、クラウド上で管理することもできます。
黒板に上手に描かれたメニューも魅力的ですが、デジタルサイネージであれば表現力が格段に上がりますので、採用するキッチンカーが増えているようです。
<参考情報>