自転車とデジタル
交通手段としての自転車の役割が世界中で高まっていますね。
世界的に二酸化炭素放出を抑えようという動きがあり、健康志向の高まりもありますので、自転車の利用が増え続けているようです。サンフランシスコやニューヨークといったアメリカの大都市の道路には自転車専用レーンが急増したとか。
また電動自転車の普及も急激で、2021年から2024年にかけて自転車の世界市場規模は4割成長に迫る勢いだそうです。アジアでもヨーロッパでもアメリカでも自転車の販売は絶好調のようです。
自動車で通勤していた人が自転車に切り替えるとガソリン代、保険料、駐車料金などが節約できますし、もちろんクルマよりも自転車の方が圧倒的に安価です。安くて地球環境にも優しい上に運動にもなるのですから、自転車が選ばれるのは当然のようです。
特に観光旅行が制限されて、サイクリングが楽しくて健康的なアクティビティとして大ブームになったようです。
電動自転車(eバイク)は通勤でもレジャーでも有力な選択肢です。電動であってもなくても、ライダーたちは走行ルートの選択にデジタル技術を活用しています。Googleマップはかなり以前から自動車でなく自転車など環境に優しいルートを推奨してくれるようになっていますし、そちらを選ぶとどれだけ環境負荷の軽減に貢献できるか数値で教えてくれています。
ライダーたちは、走行の記録もデジタルで保存することに熱心です。ルートを地図上に残したり、同じルートを通った過去のツーリングと比較したりすることは、GPSトラッカーの登場以前には、不可能ではないものの非常に手間のかかる作業でした。
今では個人で楽しむだけでなく、コミュニティーが情報を共有して、知識や経験を分かち合うようになっています。
自転車向けのアプリには、ゲーミフィケーションの考え方が巧みに織り込まれています。毎日の自転車ライフに心理的な報酬が埋め込んであって、他のメンバーと競い合ったり、協力してゴールを達成する喜びが得られるようになっているのです。
今後は自転車に装着したカメラやセンサーが環境情報や交通データを収集してクラウドにアップロードするようになると言われています。
また、地方自治体が自転車から生まれるさまざまなデータを活用することも考えられています。情報提供を通じて地元の経済にも波及効果が望めます。事故多発地点が分かれば道路計画に生かすことができます。自動車のトラフィックをスムーズに流すために作られた都市の道路が、人と自転車のために再設計されようとしています。
もしかしたら未来の都市の道は、自動運転車と電気自転車が行き交う、緑に囲まれたものになっているかも知れません。ただし、雨の日は自動運手バスが満員になってしまいそうですね。
<参考情報>