フード・ロボティクス
ロボットの導入は、農業分野から流通、食品加工などから、レストランなどの調理の現場にも及んでいますね。日本でも蕎麦やパスタを作るロボットが実際に導入されています。
レストランなどで料理を運ぶ配膳ロボットはもはや余り珍しがられることもなくってきています。
ロボットの導入が進む大きな理由は感染症対策と人件費削減のようです。
かつて、人は人とのふれあいを求めるものとされていました。レストランでは、接客係の人に席に案内されて、おススメ料理を教えてもらって注文をしていました。料理は人の手を介して運ばれて、テーブルのしかるべき場所にきれいにセッティングされましたし、コース料理であればお皿は何回も入れ替えられます。サラダを注文すれば、注文時か配膳時にドレッシングの要望を質問されます。
今や注文はテーブルに予め設置されているタブレットの画面操作で注文すると、配膳ロボットが運んでくれます。テーブルの上に置くのはまだ難しいので、たいていはお客様の方がトレイから料理を取ります。それでも厨房からテーブルまで、障害物やほかのお客様などを避けながら黙々と配膳してくれるロボットは疲れ知らずの忠実な「スタッフ」です。
サラダは世界の料理に欠かせないメニューですが、食材の野菜などを洗浄してカットして盛り付けることに多大な労力を要します。そのため、さまざまな企業がサラダ作り自動化の方法を模索しています。
顧客は専用のアプリや店内のディスプレーを使ってサラダの食材を選び、ドレッシングを選びます。お皿がベルトコンベアーを進んで、ロメインレタス、レンズ豆やビーツ、チーズやローストチキンなどの材料を入れた容器の下で止まり、重力を利用して盛り付けられます。
こうしたマシンによってスタッフの数は劇的に削減できますが、刻んだり、ディスペンサーに食材をセットしたりする作業には人間が必要です。ていねいなお店であれば、お客様に届ける前に、マシンが作ったサラダを人間が最終チェックするかも知れません。
サラダのほかに、ピザ、フライドポテト、ハンバーガー、お酒のカクテルなどの調理のロボット化が進んでいます。
日本でも握り寿司、巻き寿司、おにぎり、とんかつなどはロボットで作られることが多いですし、食品加工の現場では相当昔から機械化が進んでいました。
自動化によって人間は清潔な環境を保つ作業や、機械が問題なく動き続けられるように支援する作業に回ります。
注文や支払いの部分がデジタル化されていると、サプライチェーンにも需要予測にも活用できる情報が、デジタル情報として即座に生成されますから、その活用も容易になります。
需要予測が精緻になってくると、フードロスの問題にも好影響があります。
また、日常的に使うお店などでサラダを定常的に食べる人にとっては、ゆくゆくは好みの食材を組み合わせるだけでなく、健康増進に役立つ栄養素の組み合わせを考えた食材の提案などにつながっていきますね。
<参考情報>