フェムテック
女性(female)のためのテクノロジー。略してfemtechは新型コロナに後押しされるように世界中で活況を呈しているようです。
つまり、パンデミックによる外出の禁止や自粛で医療機関を訪れる機会が激減した人々が、主にスマホのアプリ機能などで提供されて自宅で利用できるヘルスケアサービスの利用機会を増やしたということのようです。
そして各国でアプリの領域に留まらず、さまざまな製品が開発されました。
月経管理アプリが代表的なアプリですが、ピルの処方をオンラインにしたり、妊娠、出産、産後のケア、更年期の前と更年期の期間中のケアサービス、ケア製品を発売したりと、女性特有のニーズ、ウォンツに応える形でテクノロジーが活用されてきています。
最近では、こうしたサービスや製品を個人ではなく企業が従業員のために利用するケースも増えています。
欧米ではこうしたサービスや製品が主に男性主導の企業や医療関係者によって開発されていることに懸念が表明されることもあるようです。
特に利用者の体温をはじめとするさまざまなデータがクラウドに蓄積されるということは、注意しておかないと二次利用される可能性は十分にあります。現に広告などに使われて問題になった事例もあるようです。
テクノロジーの長所として、カスタマイズの自由度が高いことがあげられます。それにも関わらず、フェムテックのほとんどが白人で、異性愛で、比較的裕福な健常者を前提にし過ぎているという指摘もあります。
女性やマイノリティを支援するはずのテクノロジーが偏見や差別を助長するのに使われてはならないでしょう。
かつては、キャリアップのためにいろいろなことを犠牲にすることが正しいといった風潮があったのは確かのようです。そうした価値観がまん延していれば、生理や妊娠、出産で仕事の継続が難しい女性が不利とされたのかも知れません。
世界中で成長だけが目標ではなく、心豊かに生きることが大事だと多くの人が気づいたので、有利とか不利とかいう軸は意味をなしません。生活や仕事を助けてくれるテクノロジーを上手に使っている人が増えていることが、フェムテック市場が急成長している背景にあるのではないでしょうか。
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