電子ペーパー・サイネージ
電子書籍のリーダー端末は画面が電子ペーパー化されて視認性が格段に高まりましたね。特に晴れた日の屋外でよく分かります。また、表示したまま電源供給を停止しても、表示が保持されるなど、超低消費電力なことも注目が集まっています。
スーパーマーケットなど小売店の多くでデジタルサイネージは広く使われています。小さな電子ペーパーを値札にすることで柔軟に価格変更ができるようになってきました。
大型ディスプレイでおすすめ商品をプッシュしたり、割引価格を大きく表示したり、製品情報を詳しく表示したりすることができます。
また、バックヤードでも従業員向けの情報や注意事項などを紙ではなくサイネージで表示することが一般化してきています。
バス停に電子ペーパーが進出してきています。バスの時刻表はダイヤ改正のたびに書き換える必要がありますし、たくさんあるバス停のすべての時刻表を一日で入れ替えるには相当な人手が必要です。デジタル化して情報をアップデートできるようになれば一斉に書き換えることが容易になります。また、急な遅延や運休情報、バスの現在位置、交通情報やローカルのニュースや天気予報など、サイネージがあれば待っている人に提示できる情報量は各段に増えてリッチになります。もちろん広告も表示可能です。
駅前のバス停を除くと、特に地方を走る路線バスのバス停に電力を供給するのは難しいことですが、電子ペーパーであればバッテリーとソーラーパネルで十分な電源供給が可能となります。
最近では、駅などで遅延や運休を知らせるために電子ペーパーの大きなディスプレイが活用されるようになってきました。ほんの少し以前までは、駅員さんの手書きが一般的でしたけれど。
スコアボードにも活用されています。テニスや卓球、バドミントン、バレーボールなどのスコアボードに電子ペーパーが注目される理由の1つは視野角の広さでしょう。液晶の画面を斜めから見るとはっきり見えなくなりますが、電子ペーパーでははっきり見える角度が広いのです。
道路標識にも利用が広がっています。これからEVが普及して充電ステーションがいろいろな場所に設置されていくでしょうが、充電場所の空き/塞がりの情報をチェックするために、スマホのアプリなどは使えません。運転中にスマホ画面をチェックするなど論外だからです。そのため、高速道路だけでなく主要な幹線道路にも随所にサイネージを設置して、EVステーションその他の情報をドライバーに提供する必要が出てきます。
電子ペーパーのほとんどはモノクローム(白黒)ですが、黒板アートのようにそのモノトーンを活かしてデザイン性の高い芸術的な表現も可能になっています。そこで美術館や博物館などの案内表示にも電子ペーパーが利用されるようになってきています。
SDGsの広がりでさまざまな施設が自然環境への負荷がなるべく少ないソリューションを選び、選んでいることを顧客や従業員に分かるように示そうという動きが広がっています。
電子ペーパーの画面はまだ高額ですが、電力消費を極端に抑えて、その他のソリューションと同等の効果が上げられるならば投資する価値はあるという企業が増えてくるのではないでしょうか。
<参考情報>