Web3の登場とマーケティングの変化

Web2.0時代のマーケティングは、Web3時代にはどのように変化するのでしょうか。


Web2.0のマーケティングは、FacebookやInstagram、Google AdsやTwitter(現、X)を使った有料広告をベースに組み立てられていたことでしょう。


マーケティングチームは、顧客とのタッチポイントを整理し、カスタマージャーニーを描いて、クリエイティブ(ビジュアル要素)に適切なコピーを添えてアップロードし、キャンペンの費用をGoogleなどのプラットフォーマーに支払います。A/Bテストを行い、マーケティング・リードを見込み客に育てて、コンバージョンまで連れて行くため、ファネルを太くしたり、顧客の背中を押す方法を工夫したりします。データを収集し、分析して、再ターゲティングして次の機会を狙います。


マーケティング担当者は略語と数字で会話し、ダッシュボードを見つめる仕事を続けてきました。マーケティングに投下するコストが正当であることを示すため、なるべく専門用語を使ってコミュニケーションしていたはずです。

グローバル


Web3でも、Web2.0時代と同じようにマーケティング・ファネルがあります。潜在的なユーザーをコンバージョンに導き、アクティブユーザーとして維持するために、行動喚起を続けることになりますから、ファネルの構成は似ています。


Web3のマーケティングの最大の特徴はコミュニティーでしょう。Web3のプロジェクトは当初は少人数の有志から始まったとしても、DAO(分散型自律組織)へ向かい、独自のトークンなどを使ったエコシステムと統治システムが作られます。当初のグループの参加者は、それぞれのプロジェクトが定義した複数の方法の中から自分が貢献できる方法や役割を選び、プロジェクトに貢献し、トークンを獲得します。コードを書いたり、課題を解決したり、バグを探したり、場合によっては資金を投じたりすることでコミュニティーのメンバーとして活動します。


Web3のマーケティングは、こうした活動に参加し続けるインセンティブをどのように設計し伝えていくかということがカギになります。自律的に動いてメンバーを集め、経済的なインセンティブと非経済的なインセンティブを与え続けることでコミュニティーを増殖させて、プロジェクトが永続的になるまで続くWeb3マーケティングの成功のカギは、インセンティブの設計と、初期コミュニティーを適切に構築することに尽きるようです。


ここにはWeb2.0のプラットフォーマーが介在する場所はないようです。

 

 

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