連邦デジタル・リテラシー法案

2022年になってアメリカ議会はデジタル・リテラシーに関する法案を提出しました。これとは別にブロードバンド・プログラムに関してパブリックコメントの募集が始められています。メイン州ではブロードバンド推進担当部局のリーダーが指名され、ニュージャージー市はデジタル・インクルージョンに取り組んでいるそうです。

キャピタル

スマートフォンがすっかり身近になって、地上波以外にもNetflixやAmazonプライムで今までのテレビ局では制作されていなかったような大規模なドラマなどが手軽に視聴できるようになりました。AIスピーカーを購入した人も多く、コロナ禍でネットでの商品や食品の注文・配達は当たり前になりました。

テレワークで自宅からお互いの顔を見ながら仕事をすることもすっかり一般化しましたね。

 

それでもいまだに日本にも世界にもたくさんの紙を使った手作業がたくさん残っています。

 

さらに、電子メールのアドレスを持ったことのない中高年以上の年齢の世代の人々もまだまだ現役で働いたり消費活動をなさっています。あらゆることをデジタル前提に作れば、ミスが減り、スピードアップにつながりますが、コロナのワクチン接種の予約のコールセンターがパンクしたことからも分かるように、デジタル以外の救済策が必要な人々はまだまだ大勢おられてます。

また、スマホの価格は高額ですし、通信料も決して安くはありませんから、経済的な理由でこうした機器とは無縁の生活を続けている人も大勢おられます。

 

デジタル・インクルージョンというのは、こうした人々にもデジタルの恩恵にアクセスできるようにする取り組みです。

例えば、電子メールを取得することを支援したり、そのメールを読み書きできる環境を整えるには、公的な機関が動く必要があります。ブロードバンド事業者に、安価なアクセス手段(無線または有線)の提供を促したり、図書館や市役所に誰でも利用可能なPCを設置したり。遠隔医療へのアクセスは各国で大事な課題ですから、Web会議の環境も必要ですし、使い方を教えることも求められます。

 

都市部などで大きな災害、例えば震災の被害などが発生した場合、最初に行わなければならないのは消火や人命救助で、次に電力、水道、下水、ガス、道路、公共交通などの「インフラ」の復旧が必要です。かつては電話の復旧は電力や水道が優先されて後回しにされていたらしいのですが、今では人命救助や避難誘導などのために、まずは通信インフラの復旧が急がれます。情報通信は、社会の基盤、つまりインフラストラクチャーとして明確に認識されるようになったのですが、その成長過程では通信キャリアや端末・基地局のベンダーの経済的な利益が優先で、決して「あまねく広く公平に」というインフラの要求条件を満たしてはいなかったようです。

災害

そのことをアメリカをはじめとする各国が憂慮して、政治が動き始めているのですから、通信料金の低廉化だけにとどまらず、日本でもやれることがまだまだたくさんありそうですね。

 

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