ソーシャル・ディスタンス・テクノロジー
日本のCOCOAのような接触確認アプリは世界各国で導入されています。スマートフォンのGPSによる測位やBluetoothなどの近距離無線を使ったものが多いようですが、シンガポールではスマホに頼らず、ドングルを配布する方法が検討されています。
作業着などに無線タグを装着して、工場内などの作業環境での近接状態をトラッキングするシステムも提案されています。こうしたプラットフォームでは、データを集積・分析して、密を避ける作業環境を作るためのフィードバックループを作ることが重要とのことです。
テレワークやWeb会議といったテクノロジーも、社会的距離を保ちながら生活し、仕事を続ける上で非常に重要で、短い期間で世界中で普及が進みました。デジタルの利用に消極的だった中高年や高齢者の多くが、ごく自然にZoomでやり取りしています。
エレベーターや自動販売機などのプッシュボタンは直接触れなくても指を近づけるだけで反応するソリューションがいくつも出ています。日本の場合、道に面した自動ドアなどでは、単に前に立つだけで開いている無駄に開閉してしまうため、上部のカメラで狙っていて、手をかざす場所を指示してそこに手が触れそうになると開く自動ドアがCOVID-19よりも前からたくさんありました。
上下に動かすレバー型のドアノブはフックで、エレベーターや自販機のボタンは鍵の先端で操作している人も相変わらず多く見かけますね。上下動を感知して、リングが動いて自動的に殺菌するドアノブまで生まれています。
バスなどでは乗降客をAIカメラなどで捉えるなどの方法で混雑状態を可視化する試みがあります。レストランなどの飲食店でもカメラ映像を使ってAIなどが混雑状況をモニタリングするシステムが稼働しています。
センサーで二酸化炭素濃度を計測すれば、人が「密」かどうか判断できるという技術もあり、BluetoothやAIカメラに依存しない方法として注目されています。
歩行者の動きについては、カメラと同時にセルラー会社がもっている端末の位置情報が有効で、日本では以前から主要駅などの人手の増減を把握するのに携帯会社の情報が活用されています。
建物などの入口などには、消毒液の手前などにモニタがあって、赤外線で体温を計測したり、マスク着用の有無を確認する装置が置かれています。
今後もさまざまな創意工夫が行われるのではないでしょうか。
<参考情報>
How to Use Technology to Maintain SocialDistancing Guidelines
Sensor Technology Offers Guidance forSocial Distancing and Cleaning