スマート・ガーデン

フード・マイレージ、つまり、食料の輸送の量に輸送距離を掛けた値を指標にして、これを小さくすることで地球環境への負荷を下げようという動きが活発になっていますね。

5月には天候不良で玉ねぎの価格が高騰しました。家庭菜園、特に屋内で野菜やハーブを育てるならば、あまり天候の影響を受けませんし、農薬などについて不安を感じることも少なくて済みます。

ただ、植木鉢に土を入れて、種を蒔いて、ときどき水をやるだけではなかなか植物は育ちませんから、ホーム・ガーデンやファームは誰もが手軽に楽しめる簡単なことではありませんでした。

水耕栽培



けれども、二酸化炭素排出量を減らして、安全な食を自分の手で手に入れようという賢明な消費者になるためのテクノロジーがいろいろ登場しています。

気温や湿度、水分量、土壌の質などを測定して無線で送信してくれるスマート植物モニターがたくさんあります。初心者でも、ベテランの庭師や農家の経験を活用することがでるようになってきています。
もちろん、IoTに頼らなくても、専門家が書いた書籍やブログを読み込んで、温度計その他の計器を置いて、自分で頻繁にデータを読んで記録して、専門書の解説と照らし合わせれば、同じように専門家の経験を活用することは可能でした。けれどもそれでは簡単に手が出せません。センサーとネットワークとちょっとした可視化ツールと、場合によってはAIを組み合わせたアドバイスが使えれば、世話の手間は最低限で、効果は最大限になることが期待できます。

特に屋内用の水耕栽培などに向けては、照明、給水、肥料、温度などを自動的に調整する自己完結方のシステムがいろいろあります。ある意味、人が行うのは種まきと、場合によってはちょっとした植え替えだけで、あとは機械が24時間体制で育ててくれます。

屋外の場合、最も手間がかかるのは水やりでしょう。これもスマート・スプリンクラーが解決してくれます。スケジューリングだけでなく、節水機能もあり、天候に合わせて水の量を自動調整してくれます。

温室



これらは多くの場合、スマホのアプリと連動していますから、仕事中にでも旅行中にでも、育つ様子を確認したり、問題発生時の解決策を知ったりするのに使えます。

雑草を取り除くには、化学薬品を使うのが一般的ですが、雑草と大事な植物を区別して、雑草だけを自動で取り除くスマート草刈りロボットも開発されつつあるそうです。
すでに、お掃除ロボットと同じように、芝刈りをしてくれるロボットはありますが、さらに一歩進んだ農地(=庭)の世話を代行してくれるロボットです。

テクノロジーの助けがあれば、個人でもフード・マイレージを抑える活動に参加できるようになっています。


<参考情報>