新聞のデジタル

新聞メディアもインターネットの影響直撃ですから世界中で発行部数を減らしていますね。

多くの国で、テレビ、ラジオ、雑誌、出版など複数の事業を取り仕切るコングロマリットに支配されている場合があるようです。こうした中で、新聞の落ち込みは深刻そうです。日本でも全国紙と呼ばれる新聞を始め、発行部数は大きく下落しているようです。とくにデジタルに若いころから接している世代は、わざわざ紙の新聞を駅スタンドで買ったり、自宅や職場に配達してもらってページをめくったりはしないようです。

結局、世界各国の大手新聞は、ネットと上手に折り合えたかどうかが生き残るか敗退するかの分かれ道のようです。

しんぶんし

大きな事件とか、天災、火災、事故などが起こると、その場に居合わせた人がスマホのカメラで映像を撮影して、縦長の映像をSNSで共有したり、テレビ局や新聞社に提供したりするので、これまではテレビカメラなどでは捉えることができなかった、燃え始めたばかりの火災の様子なども直接目にする機会が増えましたね。

注目を集めたネットニュースにはあっという間にたくさんのコメントがついて、リツイートが繰り返されて、急激に拡散されます。それでも既存の新聞社やテレビ局が残っているのは、記者の力量(取材力、分析力、表現力)や、編集の力が素人と比べると格段に上で、多くの人々が一定の信頼を未だに寄せているからでしょう。

記事のすべてを無料で提供するのではなく、無料な部分は記事の前半に限定したり、一日とか一週間とか限られた期間に無料で読める記事の本数を制限したりして、有料のサブスクライバーでなければ、コンテンツのすべてを閲覧できないようにするのが、一般的な手法です。朝刊を一か月配達してもらうと何千円かかかりますので、それよりも安い値段で、記事や特集を読み放題、見放題にしてもらおうということです。

記事の有料化については、ネットの初期から世界の新聞社はネット上で記事を有料で売るための努力を続けています。

ネットが媒体になると、朝刊と夕刊の印刷時間に対応して作っていた一日のリズムでは遅すぎます。夜間も含めて何時間かおきに常時、記事を生成し、公開する陣容が必要になります。新聞社は、かつては白黒写真が主体で、紙面のカラー化に伴ってカラー写真も使いましたが、今では映像がなければ新聞社サイトと言えども高い評価を受けることができません。

 

文字情報の消費についても、変化が起こっています。もちろんスマホで電子書籍を読破する人はいる一方、大多数は短い文章を好み、少し読んで詰まらなければすぐに別のページへ移ってしまいます。

紙の新聞では、何面のどこにどのような大きさの記事を配置して、見出しやスチル写真をどう配置するかが勝負でしたが、いったん印刷された新聞は、そのままのレイアウトのまま、その日一日だけでなく数日、さらにスクラップされた記事は後々までそのフォーマットで残るものでした。

今は情報の生成も消費もサイクルが極めて短くて、ニュースを配信するサイトには、多くの場合、最新の、つまりここ数日のニュースしかありません。

極端な場合、数時間で下の方に埋もれてしまって見えなく記事が大半です。けれどもデジタルなので、適切な検索キーワードを思いつければ、いつでもアーカイブ記事にたどり着くことができます。

読者を誘引するためには、SNSでのニュース情報の発信が欠かせません。リンクをクリックして記事を読みに来てくれた人が、どのような動きをするのか分析して、サイトの構造や配置を改善する必要があります。

どこかで離脱が多いなら、構造を変えて、サイトに留まってくれる時間を増やす必要があります。

新聞紙

どのような見出しに人々が反応を示すのか、複数の見出しを出しわけて計測するのが有効です。読者のデモグラフィックな特徴を把握して記事として扱う分野や内容にフィードバックをかける必要もあります。

このように、ニュースサイトの運営はEコマースそのもので、オーディエンスについてどのようなデータを集め、どのような分析をして、どのような洞察を得るか、それらに基づいて、どうやってエンゲージメントを強化するかが鍵になっています。

広告と購読費が主な収入源というのも20世紀の新聞とほぼ同じです。地元に関する記事を、有料でも読みたい読者は、これからもいなくならないのかも知れません。

<参考情報>