インドネシアのDX

 かつてオランダ領であったインドネシアは数千の島からなる国で、国の活性化には通信網の整備とデジタル技術の活用が欠かせません。人々は海の向こうの人々と通信で繋がっている必要があるためです。

インドネシア


 同国のジョニー・ゲラルド・プラテ通信情報大臣は7月20日のWebセミナーで、通信インフラの整備などDXの加速に向けた一連の施策を発表しています。このころ、同相はフランスの駐インドネシア大使と会談し、同国のDXについて両国が協力していくことについて議論したと報じられています。この会談では国営データセンターの開設、テレビ放送の伝送局改善、Satriaと呼ばれる通信衛星という3つの大きなプロジェクトについて議論が行われたそうです。

 同国のテレビは現在、デジタル化が進められています。これは「アナログ・スイッチ・オフ」と呼ばれる国家プロジェクトで2008年8月のフェーズ1がスタート。デジタル地上波放送の実験が始まりました。2010年開始のフェーズ2から徐々にアナログ波を停止し、2020年12月のフェーズ3終了時にはアナログTVサービスはすべてなくなる予定です。
 通信衛星については2023年の第2四半期のSatria-1の商用化を目指しています。フランス政府はこの衛星プロジェクトに支援を行う予定であるほか、データセンターやデジタルテレビについても資金や技術面の支援を申し出ているようです。2023年になれば、島々に15万基の衛星のサービスポイントが設置される計画とのこと。

ジャカルタ


 P2P(ピア・トゥ・ピア)レンディングとかソーシャル・レンディングと呼ばれる、ネット上でお金を借りたい人と、貸したい側の人や企業を結び付けるオンラインの仲介サービスがインドネシアでも使われ始めているようです。借り手はお小遣いの少ない学生さんだけではなく、漁師、農家、食料品の屋台など広範で、国土の地理的な要件もありますから、さまざまな経済セクターに属する顧客の信用スコアリングを分析して貸し手の側のリスク管理を迅速に行うためにはクラウドを活用した大量のデータ処理が必要になります。もちろん、こうした信用の分析を人間が行えばすごく時間がかかるはずですが、現在はAI(人工知能)や機械学習の力を活用することもできます。

 さまざなま領域でデジタル化が進むということは、あらゆる業界でサイバーセキュリティに対する脅威が高まると言うことを意味しますし、高度な人材の確保が重要性を増すことも意味しています。

ジャカルタ


 インドネシアの場合、インターネット接続が不安定で、料金も高額であるため中小企業
でのデジタル活用は遅れていたようですが、COVID-19の影響でソーシャルメディア、EC、オンライン学習などの利用が中小企業でも増えているそうです。電子商取引などは、いったんその有用性に気づけば利用が加速することでしょう。中小企業の場合はリモートワークを行う場合、不安定な接続やネットの料金のほか、顧客との直接的なやり取りが難しいことも課題になります。
 国連が2003年から実施している電子政府調査の指標(E-Government Development Index (EGDI))では、インドネシアは193か国中88位と決して高くない位置にいるそうです。

 ただし、インフラストラクチャーの整備は進んでいるようで、たとえば、通信会社のXL Axiataは、5,500万以上の利用車のID管理をクラウドを活用したプラットフォーム上に展開し、アクセス制御を行うことにしたそうです。

<参考情報>