デジタル文具

文房具屋さんや、スーパーマーケットやデパートの文具売り場に売られている商品の中で電池やACアダプターからの電源で動くものといえば電卓、テプラやネームランドなどのラベルライター、電動タイプライターや電動鉛筆削り、電子辞書くらいといった時代が長く続きました。

 

最近はタッチペンやキーボードを使ってさまざまな文章や図形を電子的に記録することができるグッズがたくさん登場しています。

PCとPCの間の通信から発展したインターネットの場合、平文(プレーンなテキスト)の電子メールのやり取りだけでなく、画像や音声、動画像のフォーマットについても実質的な標準(デファクト)の形式が定まってきていて、WindowsからMacに送った映像が再生できないなどという事態はほとんど起こらなくなりました。

タブレット

電子文具の場合、単にその製品の中に手書きのメモなどを蓄えておくメモ帳やノート代わりの使い方であれば各社独自のフォーマットで十分です。けれども別の会社の製品とやり取りをしたり、ネットにつないでPCでも見ようという場合には、やはり標準的なフォーマットでないと不都合があります。

埼玉県に本社を置くワコムは、WILLをいう“電子インク”のフレームワークを公開し、コンソーシアムを作って2014年頃から普及を推進しています。

この技術を採用する会社が増えれば、同社のペンタブ(ペンタブレット)と互換性のある周辺機器や通信によってデータのやり取りが可能な機種が増え、購買者の利便性も向上します。コンソーシアムには富士通やサムスン、モンブラン、KDDI、BIC、ステッドラー、凸版印刷といった企業が名を連ねています。

ペン

これらはメモ帳やノートなどを電子化しようというものですが、昨今、誰もが高機能の電子機器であるスマホやタブレットを保有して持ち歩くようになりました。すると中にはカバンやポケットにノートPC、タブレット、スマートフォン、音楽プレーヤーなどを入れて持ち歩き、その上に電子文具までとなると大変です。

 

スマホ内蔵のカメラを使ってホワイトボードの情報や手書きのノートなどを写真に納めると、当然のことながらきれいな長方形にはなりませんし、光の当たり方で微妙な写真になってしまいます。

けれどもスキャン用のアプリを使えば、用紙などの四隅の場所を検出して、いびつな台形をきれいな長方形に補正してくれます。画面上の陰影も整えてくれる機能のあるアプリもあるようです。

 

文房具の中にも、見かけはほとんど普通の紙のノートと同じで、専用のアプリで手書きの持ちを撮影すると、アプリの中のノートのデータとして取り込んでくれるものがあります。紙面の隅っこなどに、アプリが情報を検出するための小さくて薄いマーカーが印刷されているようです。データとして取り込んでしまえば、文字認識機能によって手書きの文字をテキストデータに変換することもできます。テキストデータになっていれば、「あれはどこに書いたっけ?」といった場合、くし刺しでらくらく検索可能です。

アプリで撮影するだけで、暗記用の単語カードの表面と裏面を作ってくれるノート(ぺんてる「スマ単」)もあります。

ペン先にディスプレー、マイク、スピーカーまで内蔵して、Wi-Fiで筆跡を送るペンも以前から売られていますが、ペンそのものが重たくなると使い勝手に問題があるかも知れません。

 

ネット時代のデジタル文具は、スマホやクラウドと「機能分担」するのがトレンドのようです。

スタイラス

 

<参考情報>