デジタル・マーケティング

現在の市場はZ世代やミレニアム世代など、明確にそれ以前とは違った行動様式や思考パターンを持った世代が動かしていますね。

テレビが広い世代に受け入れられ、家族や友達の共通の話題になっていたのは遠い昔です。テレビ視聴者は年齢層が高く、テレビ以外のデジタル機器に費やす時間は短い人たちですが、若い世代はひとくくりにできない、異質なものが雑多に組み合わさった(=ヘテロジンイアスな)市場セグメントを構成しています。

generation Z

そこではインクルーシブという見逃せないトレンドがあります。さまざまなものを包括的に包み込むようなという意味のようで、少数派(マイノリティ)をスコープの外に追いやるのではなくて、多くの異質な少数派をなるべくたくさん包み込む視点が求められているようです。それだけ若者の興味や熱意はさまざまな方向を向いていて、もはや1つや2つのトレンドで大勢を包含することができません。

それでも多くの若者が持続可能性に関心を持っています。大人の世代の大量生産・大量消費が環境を破壊し、食料不足や自然災害増加が懸念されていますが、高齢者よりもずっと長くこの地球で暮らしていくことになる若者たちは、環境に配慮しないブランドにそっぽを向き始めているようです。

マーケティングキャンペーンでは従来からターゲットとなるセグメントにチューンして、あるいはもっと踏み込んで個々の消費者にパーソナライズして訴えかけることが有効だとされてきました。魚のいるところで、その魚が食いつく餌を使って釣りをするのが有効だし効率的ということでしょう。

しかし、プライバシー意識が強くなっている若い世代は、ターゲット広告を不快に感じているようです。

自分の行動がのぞき見されているという感覚を避けたいと思いながらも、自分とまったく無関係なコンテンツにはやはり興味がありませんから、アルゴリズムを使って持続的かつ自律的なマーケティングキャンペーンを実行できるデータ駆動型のデジタルマーケティングの使用は有効なアプローチです。

各国のデジタルマーケティング実務者が以前から注目しているのがショッパブルポストです。多くの若い世代はテレビCMや雑誌記事ではなく、SNSの投稿(ポスト)から次に何を買うか買わないかを判断しています。その投稿をクリックするだけで、安全なサイトからアパレルやグルメの購入が可能ならば、買い物に当たっては最も簡単で便利な方法ということになります。インフルエンサーなどを上手に使って、ステマにならぬよう品質と品位を保った投稿ができれば、消費者側にもブランド側にも有益です。

5Gが移動中の若者とブランドの接点を強化することも期待されています。消費者に提示する情報も単なる静止画や動画から、AR、VR、XRと多様化して、その分、エンターテインメント性も高まります。

ローコードやノーコードが広まると、エンジニアやデザイナーを確保できなければ実現できなかったキャンペーンを、マーケティングのアイデアを生み出したマーケター自身や、そのスタッフの力で、簡単かつスピーディーに具体化できます。

素早く作れるということは、それだけ素早く微修正が可能ということですし、場合によっては大幅な軌道修正も、傷が大きくなるずっと前に着手できるということです。

また、各種のロボットが手作業を自動化してくれていますから、マーケターは作業に割く時間を減らしてクリエーティブな思考に時間を使うことが可能になっています。

SNS

媒体はテレビからWeb、スマホ、コネクテッドTVと広がりました。人々の興味も関心も細分化する一方です。ですから、ブランド側も消費者側もデジタルの恩恵がなければ互いの接点を作ることさえできなくなっているのですね。

<参考情報>

2021 – 2022 digital marketing trends: 25 practical recommendations to implement

10 Top Digital Marketing Trends to Watch Through 2021

Top Digital Marketing Trends for 2022

Top 7 Digital Marketing Trends You Need to Know for 2022