ビルのセキュリティ

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マンションや商業ビルでも、アクセス制御を行っているところがありますが、もっとも目立つのはオフィスビルです。

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伝統的なアクセス制御は、ビルの受付横のエレベータホールの前に警備員さんが立っていて、受付で来意を告げて、受付係が内線で訪問先の担当者さんにアポイントメントの確認などを行って、訪問者は来訪者カードなどに名前や所属、連絡先、訪問先などを手書きで記入して、来訪者用のバッジなどを受け取って、警備員さんの横をすり抜けてエレベータホールに向かうといった形で行われてきました。

この方法では手間もかかりますし、入館した人の情報は手書きなので、あとから事件でも発生すれば筆跡鑑定などに役立つかも知れませんが、データの管理という意味では厄介です。

ドアをロックして、ロック解除の資格がある人だけにその手段を提供する方法にはいくつものバリエーションがあります。数字キーに何桁かの数字を入力して開錠するシステムは古くから存在するようです。しかし、番号がいったん漏れてしまうと誰でも入館できてしまって、決して安心な方法とは言えません。

ICカードなどを登録して、社員などに持ってもらい、読み取り機などをドアの近くに設置して認証する方法が一般的です。来訪者には臨時のカードを渡すことで同じようにドアを開けてもらうことができます。

事前のアポイントメントで、来訪者に番号のコードやQRコードを送付しておいて、紙に印刷したり、スマートフォンに表示できるようにしてきてもらい、それを読取装置にかざすことで来訪者の認証を行うシステムもあります。

ICカードなどを使うと、例えば共通のドアには入れるけれどもマシン室には入れないとか、特定の権限を持っている人だけが金庫のある部屋に入れるとか、複雑なアクセス制御が可能になります。さらに、紙のカードを提示するのと違って、カードの読み取りの記録が残りますから、誰が(厳密にはどのカードを持った人が)いつ、どこのゲートを通ったか電子的なログを残すことが容易になります。

ただ、ICカードというのは紛失がつきもので、特にアメリカの大学などでは1年間で2割近く紛失するなどという話もあって、再発行、再設定で莫大な費用が必要となったりするのだとか。紛失したら、そのカードを拾った人や盗んだ人が使えないように、無効にすることになります。

ただ、カードの場合、実際に紛失してから、紛失したことに気が付くまでにタイムラグがあると大変です。その間に不正に侵入されてしまうかも知れません。もし、侵入があったという記録が残っていたら、侵入者がいたことが確実になってしまいます。

カードに代わって、スマートフォンを使った入退館システムや、顔認証を使ったシステムも登場しています。顔認証のほかにも静脈認証や目の虹彩など生体認証であれば、ICカードなどと違って本人以外が使うことができません。

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アクセス制御と並行して、セキュリティカメラを設置し、ビデオ映像で監視するシステムも広く導入されています。AIの発展で、不審な動きをした場合に警報システムと連動することで犯罪行為を阻止しようというシステムもあります。また、火災報知器や消火装置もセキュリティシステムの大切な構成要素です。

昨今ではセンサーを随所に配置して温度や湿度を計測したり、ドアの半開きや締め忘れを感知したり、ビルによってはトイレの使用状況をビル内のネットワークに接続したPCなどで確認できるものまでありますね。

新型コロナの影響で、検温システム広く導入されました。これは世界的な傾向のようです。IoT機器が増えるということは、不正に乗っ取られたりするリスクも高まります。

さまざまな情報がデジタルになると、ビル内に設置したデジタルサイネージも単なる広告コンテンツの再生表示ではなく、来訪者やテナントの社員に対して適切な情報を届ける媒体として活用できます。ビル内のレストランや食堂の混雑緩和も、デジタル情報をダイナミックに活用すれば可能になります。

<参考情報>