オーディオ・マーケティング

新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりにより世界各国で外出の自粛や禁止措置が採られています。
家で過ごす時間が長くなり、危機的な事態になれば、当然、テレビの視聴時間が増えるはずですが、どうやら潮目は完全に変わったようで、人々はモバイル機器などを使って情報を集めたり、会えない人とのつながりを求めたりすることに時間を使っているようなのです。

テレビを観ながら仕事をするのは難しいですが、日本では、radiko(http://radiko.jp/)やラジオクラウド(https://radiocloud.jp/hp/index.html)といったインターネットラジオをモバイル機器で聴く人が増加しており、仕事をしながらでも気軽に楽しめるラジオ番組が見直されています。ラジオなら、料理や掃除などの家事をしながらでも、部屋でエクササイズをしながらでも、また、スマートフォンでゲームをしながらでも番組を聞くことが可能です。画面を注視しなくても情報が耳から入ってきて、想像力をかきたててくれるので、ラジオのコマーシャルには独特のスタイルと効果があるようです。

日本ではTwitterやYouTubeが盛んに利用されていますが、アメリカではかねてからPodcastが幅広い人気を集めていて、3月には音声のダウンロードが3割も増えたという記事もありました。コロナ禍の中、選ばれるジャンルにも変化があるようで、自己啓発やスピリチュアルな番組のダウンロードが増加したそうです。従来、通勤中(アメリカの場合、公共交通もありますが自家用車の運転の場合も多いです)に、両手を使わず、視線を動かさずに楽しめるメディアとして人気の高かったラジオやポッドキャストですが、自宅で過ごし時間が増えた人々はこれまでとは違った種類のコンテンツを求めているということでしょう。

また、ブームが一段落した感のあるAmazon EchoやGoogle Homeなどのいわゆるスマートスピーカーも、人々の音声コミュニケーションを変えつつあるようです。

動画やテキストを使って消費者にメッセージを送り続けてきたブランドは、今後、音声による消費者とのつながりを強めるための戦略を立てる必要がでてきたようです。

子供のころに見たテレビCMの映像はどのようなものだったのか忘れてしまっても、音楽やセリフだけが心に残っていることはありませんか?


<参考情報>