航空業界とデジタル

世界中の航空会社は新型コロナウイルス感染症の影響を受け非常に厳しい局面に立たされました。

リバイバル計画の中で、イノベーションとデジタル戦略は重要度を増しているようです。

アプリの高度化に取り組む航空会社が数多くあります。アプリを使って航空券の予約を行ったり、QRコードのチケットとしてスマホを使うことはもちろんですが、さまざまな情報提供のプラットフォームとして活用されています。もちろん、マイレージプログラムはプラスティックのカードからスマホに移行しました。

飛行場

空港までの道のりや、空港での待ち時間、旅客機の客席での飛行時間は従来、長くて多くの場合は退屈だったので、人々は本を持ち込んだり、前の座席に装着された小さな画面で映画を観たりして時間をつぶしてきました。スマホはエンターテイメントの提供で重要な役割を演じるはずです。

また、ARゴーグルなどを利用すれば、機内エンターテイメントの小さな画面という束縛から解放されるかもしれません。

旅客機

シートバック・エンターテイメントシステムが乗客のモバイル機器に置き換われば、航空機の重量が下がり、燃費が上がり、そもそも設置のためのコストが不要になりますから、航空会社の経営効率化に役立ちます。スマホでストリーミングを視聴する席は割安で販売されるようになるかもしれませんね。

航空券だけでなく、機内での体験、機内食などの注文、特典の獲得、機内販売の注文などをアプリで実現するのは自然な流れのようです。

さらにパンデミック時代ということを踏まえれば、チケットレス、タッチレス、シームレスに搭乗することで乗客だけでなく地上乗務員や客室乗務員の感染リスク低減にも役立ちます。国によってはワクチンパスポート(接種証明書)をスマートフォンで携行させるようですが、これらの読み取り装置が空港や機内に装備されるようになるのかも知れません。

デジタル化の恩恵を乗客に届けることは、実は航空会社内のデータの流通を容易にすることに直結し、ひいてはそれを蓄積して分析し、デジタルマーケティングに活用することが容易になることにもつながります。クラウドを活用し、ペーパーレス化が進めば、空港スタッフの業務も効率化できます。紙からの脱却はヒューマンエラーを減らす上で有益だということはどの業界にも言えることでしょう。

<参考情報>