未来の道路

何十年も前から道路はそれほど変わっていないかも知れません。もちろん、古い映画などを見ると昭和の時代には東京にも舗装されていない道がたくさんあったようですし、高速道路もそれほど整備されていませんでした。

けれども、自家用車の普及に合わせて道路の整備は進んで、道路そのものの様子はここ何十年も大きく変わってはいないのではないでしょうか。
実際には信号機はLED化されており、今では通信機能を持っています。通称Nシステムと呼ばれる自動車ナンバー自動読み取り装置も随所に設置されているようですし、高速道路の料金所ではETCが当たり前になっています。

ただ、これから30年の道路の変化は過去30年の変化に比しても驚異的なものになると目されているそうです。

すでに諸外国ではEVの導入が進んでいますから、高速道路のサービスエリアにはガソリンスタンドだけでなく充電ステーションが並んでいます。
EVの充電については、高速充電を追求する流れと、バッテリーそのものを汎用型にして、ステーションでは交換のみ素早く行うという二つの流れがあるようです。

EV充電


未来のサービスエリアの電気は太陽光など環境負荷の少ない方法で給電する設備で賄われることになるのでしょう。

さらに、電磁誘導などを使ったワイヤレス給電に関わる取り組みもあります。ヨーロッパやアメリカでは道路の下に電極板を埋め込んで、自動車に乗せたバッテリーの受電器を介して無線で給電する実証実験が数多く行われています。走りながら充電したり、少なくとも充電可能な車線を走っている間は電池残量が減らないという使い方が可能になります。

一定区間に給電用のケーブルを空中に張っておいて、電車のようにパンタグラフを大型車(トラックなど)の上に設置して給電する方法も北欧では試されているんだとか。長距離運行の途中で給電のために停車する必要がなくなりますね。

走行中よりも先に、長期駐車場などでワイヤレス給電は普及するかも知れません。

また自動運転が普及するためには、車両側だけではなく道路や、信号その他の構造物が通信機能を持つことが必須になります。もし、AIカメラだけが頼りで標識や信号を画像認識で処理していたとすると、ご認識の恐れが十分あります。さらに、悪意のある誰かが、勝手に「止まれ」とか、「制限速度200km/時」などという標識を自動運転車のカメラに向けたら危ない誤作動の原因になります。

アメリカでは昨年11月に「インフラ法案」(Infrastructure Investment and Jobs Act)が下院で可決されました。これによりブロードバンド・インターネットへは660億ドルが投資されますが、橋・道路への投資額はこの2倍近い1,100億ドルに達します。

自動車



空飛ぶ車も増えそうです。空中を「クルマ」が行き交うようになれば、道路だけでなく都市の空間の構造そのものも変化を余儀なくされるでしょうね。


<参考情報>