コーディング不要のパーソナライゼーション・ツール
一昨年くらいから、マーテック(MarTech)という言葉が取りざたされる機会が増えています。マーテックはマーケティング・テクノロジーを縮めた造語で、Chief Maketing Technologist Blogの記事によれば2011年には150社程度だったこの分野に新規参入が急激に増え、2014年には約1,000社、2017年には5,000社、そして2019年には7,000社を超えるまでになっています。一口にマーテックといってもネット広告のプラットフォームからユーザ解析、メールマガジン配信、動画配信などなど幅が広いのですが、中でも注目を集めているのは、パーソナライゼーションです。
AさんとBさんが同じニュースサイトなどにアクセスしていても、表示されるバナー広告などが違っていることは多くの方が実感しているはずです。これは、過去の検索の履歴や、閲覧行動、アクセスしている場所などの情報から、もっとも購買につながりそうな広告を最適のターゲットに提示するための技術が発達しているからです。
同じようにIPアドレスやクッキーなどに基づいて、アクセスしてきている人に応じてコンテンツを出し分けることができます。これによって、顧客の住んでいる場所によって提示するコンテンツを変えたり、サイトでの過去の行動履歴から、興味を惹きそうな特別なコンテンツを表示することが可能です。
ただ、技術的には可能だとしても、Webサイトを使ったマーケティングを実践している実務者のマーケターにとって設定が難しかったり、技術的なスキルやノウハウが必要であったりすると、どんなに高度な機能も宝の持ち腐れになってしまいます。現に、マーケティング担当者は顧客がパーソナライズされた、つまり、自分のためにチューニングされた情報や機能によって、自分だけのデジタル体験(エクスペリエンス)を求めていることを十分に認識しているのですが、世界中のマーケターの4分の3近く(74%)が、これを行うためのテクノロジーの活用が難しく、容易ではないと感じているそうです。
Acquia Liftは、Drupalで構築したサイトに最適化されたパーソナライゼーションを実現し、顧客の体験を高めるためのツールです。コンテンツの出し分けはもちろん、デバイスの枠を飛び越えて、顧客とのタッチポイントを演出することが可能です。しかも2019年6月に発表された新バージョンでは、特別なスキルは不要で、深い洞察に基づいたパーソナライゼーションを簡単に行うことができるようになりました。新しいLiftの主な機能は以下のようになっています。
- シンプルなキャンペーン生成 が可能: マーケティング担当者が3つの簡単なステップで複雑なパーソナライゼーション・キャンペーンを作成できます。コードなしでテストとターゲティングが可能ですから、技術的なスキルを持たない人にも、Webサイトのパーソナライズを行えます。
- 明確に定義されたパーソナライゼーション・キャンペーンの種類: ユーザは、A/B テストを起動したり、特定の対象ユーザーをターゲットにしたにパーソナライゼーションを実施して特定のコンテンツを推奨し、可能な限り最高のエクスペリエンスを提供することができます。
- スケジューリングの強化: マーケティングチームがパーソナライズをイベント、プロモーション、セールス、プレス活動に合わせるのを支援します。
- リアルタイムダッシュボードと高度な分析: マーケティング投資の最適化と検証の両方でアクティビティと効果をすばやく確認する機能を提供
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