インサイト・ドリブン・ジャーニー
Bounteous社(旧称HS2 Solutions)(イリノイ州シカゴ)はAcquia社(マサチューセッツ州ボストン)と提携してInsight-Driven Journeysの提供を始めました。
インサイト(insight)という英単語は「洞察力、物事の本質を見抜くこと」という意味の名詞です。マーケターは買い手(消費者)の行動の奥や裏にある心理を見抜こうとしますが、マーケティング用語としてのインサイトは、このようにマーケターが見抜いた消費者の心理のことを指します。「顧客インサイト」とか「消費者インサイト」のような使われ方をします。
ジャーニー(journey)は「旅」とか「遍歴」といった意味の英単語ですが、カスタマー・ジャーニー(顧客の遍歴)というマーケティング用語は、自社の製品・サービスのことを認知していない消費者や顧客が、自社の製品・サービスの存在に気付いてくれて、興味を持ち、購買を検討して、買ってくれるまで、さらには、使ってくれた上で、不具合を教えてくれたり、改善点を提案してくれたり、ファンになってくれて、場合によっては企業の代わりに別の顧客や消費者にお勧めしてくれるようになるまでの一連の流れを指す言葉です。
製品やサービスをよく知らない顧客に値引き情報を与えても意味がありません。売りたいものを売りたい人(ターゲット)に知ってもらうための情報を提供して、興味を喚起する必要があります。逆に、類似の製品やサービスをA社から買おうかB社から買おうかと迷っている最終段階の顧客には、自社製品・サービスの特徴と同時に金額の情報も重要になります。
Acquia社にはAcquia JourneyとAcquia Liftいう製品があり、カスタマー・ジャーニーを視覚的に捉えながら、要所要所に適切なデジタルコンテンツをウェブやスマートフォン、SNSなどを駆使して届けるシナリオを作ることができます。
BounteousはこれらにGoogleのマーケティング・プラットフォームを統合することで、顧客インサイトに基づいたカスタマー・ジャーニーにインサイトを持ち込みます。まずはデータ分析とマーケティング分析のGoogleアナリティクス360(有償版)とデータウェアハウスであるBigQueryを駆使して、定量的な分析を深く行い、結果をAcquia JourneyとAcquia Liftに戻します。ターゲットの属性や行動履歴などから得られた知見に基づいて提示されるコンテンツは、見せられた側からの反発が少ないため、闇雲に提示するものに比べるとコンバージョン率が高まります。つまり、マーケティング施策の投資効率が高まることになります。
このように、ウェブのパーソナライゼーション(一人一人に向けたコンテンツや表示方法のカスタマイズ)というマーケティングの手段に、顧客分析データを組み合わせて、インサイトに基づいて賢くDX(デジタル体験)を提供することが可能になるのです。
【参考情報】