オーストラリアのDrupal

シドニーのBienaltoコンサルティング(現Wunderman Bienalto)が4年前(2012年5月)に発表したホワイトペーパーによると、当時すでに

Suncorp(大手金融機関)

ABC Commercial(放送局)

・ビクトリア州司法省(Victorian Department of Justice

といった大企業や政府期間がCMSとしてDrupalを採用しています。このほかにも多くの組織が導入しており、上記3社は調査対象として詳しい取材が行われた事例のようです。このホワイトペーパーによれば、こうした組織がDrupalを採用した理由として、以下の4点が挙げられています。

1) ロックインされるライセンス料がないこと

2) 標準的なモジュールが膨大にあり、選択の自由度が高いこと

3) 開発者の強固なコミュニティーが存在すること

4) オープンソースであること

そして、ビクトリア州司法省のコメントとして「我々は安価で、実装が容易で、標準ベースで、モジュール化されていて、スケーラブルなものが必要だったのです」という言葉が記されています。

 

そして、Drupalの設計・実装フェーズの特徴として、

1) 内製エンジニアが複雑なプラットフォームを迅速に習得することが可能

2) 社内に適切な専門家がいなくてもサイトのシェルを外注で構築することもできる

3) 実装時にセキュリティーを重視できる

4) より複雑なカスタム・ビルドに標準モジュールを選択できる

が挙げられています。Suncorpの「一度、Drupalを学んでしまえば、あなたにできないことはない」という言葉も添えられています。

 

逆に限界やリスクについては、

1) Drupalは2バージョン(最新とその前)しかサポートしないため、アップグレードには細心の注意が必要

2) プラトフォームは複雑なので、トレーニングにコストかかる

の2点が指摘されています。

 

この調査の後も、オーストラリアではDrupalを採用する組織が増えており、例えば、2015年4月にはオーストラリア政府がDrupalを選択しています。詳しくはaGovのサイトをご覧ください。aGovはオーストラリア政府機関のニーズをサポートするように設計された、オーストラリア政府の基準に準拠したDrupal 7ベースのプラットフォームです。