アトラクション施設のイノベーション

コロナ時代にアトラクション施設が人々を受け入れるために、手指の消毒用アルコールのディスペンサーや各種の体温計、オンライン予約やキャッシュレス決済などが相次いで導入されて、今ではどこの国のどんな施設に行っても見かけるようになったようです。ただ、こうした技術などはワクワクする体験を増やしてくれたりはしないようですね。

納屋



二次元バーコードもCOVID-19による接触回避の動きによって、世界中で急速に普及が進んだそうです。さまざまな使い方が可能ですが、濃厚接触の可能性を確かめるために、ビジターがいつどこにいたかを記録するのに使ったり、ワクチンの接種証明やPCR検査の陰性証明などにも活用されています。
ガイド付きのツアーでも、かつては観光ガイドさんが大勢の観光客さんを引き連れて、時には拡声器などを使って説明をするのが観光地の定番でした。その声を聴くために大勢が密な状態を作っていたものです。今では観光施設の随所に二次元バーコードが掲示されていて、それを読み込めば詳細な説明を多言語で見ることができます。水族館や動物園でも詳しい情報はスマホで確認してもらうようになっている場所が増えましたね。

また、スマホの位置情報をトラッキングしたり、Bluetoothなどで何かに接触したり接近したことを追跡することは、以前は主にマーケティングが目的でした。人の流れをつかんで、もっとお金を使ってもらおうという意図です。コロナの影響で、人の流れを把握したいというニーズは多層的になりました。ショップやトイレの場所の変更にも人流データが活用されているそうです。

二次元バーコードで一方向の説明を聞くだけではなく、チャットボットが双方向のやり取りの中で疑問を解決したり、新情報を提供したりしてくれます。そうした情報提供の手段は高度化していて、テキスト(文字)を入力して回答の文章を読むという形から、ホログラムなどで空中に浮かび上がったアバターに口頭で質問して答えてもらうといった段階にまで来ています。

情報の探索に音声認識を使うことも一般化しました。認識精度が低かったころには、何回も誤解されてイヤになってしまいましたし、答えも通り一遍で、いろいろ質問してみる気になれませんでした。AIが人間と区別がつかなくなって、チューリングテストを世界中でパスしているような状況になってきています。

AIは目的地を提案することを得意としているようです。特にSDGsへの関心が高まる中、どういった交通手段などを使うことが環境に負荷をかけないかといった情報までも旅行者が求める時代ですから、単純なデータベースの構築とその検索だけでは不十分です。

遊園地



劇場や屋内のレストランに比べて屋外のキャンプ場やアトラクション施設は、ウイルス感染の恐れが低いと考えられているため、大打撃を受けたレジャー産業の中では回復のスピードが急なようです。つまりは投資意欲の回復も早いわけで、ビジターとスタッフの安全を守りつつ、楽しみを増幅するサービスや機能はますます歓迎されるようになるのでしょうね。


<参考情報>